【神戸新聞杯】秋はトライアルホースでは終わらない サトノグランツ本番取りに頼りになる父系の血

公開日:2023年9月25日 14:00 更新日:2023年9月25日 14:00

 菊の大輪が大きく見える1勝となった。きのうのトライアル・神戸新聞杯を制したサトノグランツだ。

 レースの上がりは4F45秒2―33秒6。長距離戦とは思えない瞬発力も求められる勝負で、馬群からグイッと頭差、抜け出してきた。二千四百メートル2分23秒5のレコードで駆け抜けたから、着差以上の強さだった。

「ラスト2完歩で届いてくれたね。プラス2キロと数字はそう変わらなかったけど、中身がしっかりとして地下道で雰囲気の違いを鞍上が感じてくれていました。レコードで速い上がりを届いたから進歩しています」

 管理する友道師も目を細める勝利だ。

 春は前哨戦の京都新聞杯を制したが、本番の日本ダービーは18頭立ての大外枠。さらに、落ち着いた流れに泣いた。エンジンの掛かりが遅く、瞬発力勝負に弱さが見え隠れしていたから、秋の前哨戦をこの時計、上がりで勝ち切れたことは成長と捉えていい。

「グランツも普段はおっとりしている馬。距離は大丈夫」とはトレーナー。文字通りライバルたちから“頭ひとつ”出た勝利となったか。

 実際に、サトノには菊花賞に強い血が根底に流れている。父サトノダイヤモンドは16年菊花賞で一頭、抜群の手応えから2馬身半差で快勝。ラスト1冠を手にした。

 過去10年でディープインパクト産駒は父ダイヤモンドに、フィエールマン、ワールドプレミア、コントレイル、アスクビクターモアと5勝を挙げた。ディープの血が流れ、大跳びなサトノにとっては、淀の三千メートルはより合う舞台となる。

 対照的にハーツクライ、キングカメハメハ、ハービンジャー産駒は本番で③着以内すらないことからしても、この父系は大きなアドバンテージだ。

 祖父ディープ、父ダイヤモンドに続く、3代制覇となる菊の大輪は、もう手の届くところに見えている。

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