現在93勝でトップ キャロットF勝ち鞍量産の裏に〝西寄り〟からの変化

公開日:2023年9月21日 14:00 更新日:2023年9月21日 14:00

 先週月曜の中山後半は「またこの勝負服か」と思わせる結果に。10RシンボリクリスエスC=フレーヴァード、11Rセントライト記念=レーベンスティール、12R3歳上1勝クラス=スティルディマーレと同じ勝負服が3連勝。すべて「キャロットファーム」だったのだ。

 同じことは阪神でも。2R2歳未勝利=フルレゾン、7R3歳上1勝クラス=ラスマドレス、11RのJRAアニバーサリーS=セラフィックコール、12R3歳上1勝クラス=グランデフィオーレで制し、東西で7勝。キャロットFは土曜の中山でも3勝し、日曜阪神でも1勝。3日間開催とはいえ、1週間で同じ勝負服が11勝の快挙を達成している。

 この週はシルクレーシングも6勝、サンデーレーシングも2勝。ノーザンファーム直系、系列の3法人だけで19勝をマークしたから凄い。

 これで今年の勝ち鞍はキャロットFが93勝でトップ。2位がサンデーRの85勝で、3位はシルクRの74勝となっている。

 では、昨年1年間の勝ち鞍はどうだったかというと、トップがシルクRの126勝、2位がサンデーRの121勝。3位には社台レースホースが99勝で割って入り、キャロットFは94勝で4位に終わっていた。

 14年以降、キャロットFは21年まで8年連続で勝ち鞍が100を超えていたが、昨年はついにストップ。しかし、今年は9月半ばの時点で93勝だから、100勝超えはほぼ確実な状況になってきた。

 05年オークスのシーザリオがGⅠ初制覇。これまでGⅠを32勝している(数字はJRAのみ)。

 ダービーでも17年レイデオロに次いで、今年はタスティエーラで制覇。宝塚記念で②着した牝馬スルーセブンシーズは来週、フランスの凱旋門賞に出走と、今年、クラブ法人の中で最も勢いがあるといえよう。

 この躍進の要因は関東馬の勝ち鞍が大幅に増えてきたからだ。

 前5年のキャロットF所属馬の東西別は

    東  西
 18年 54勝 63勝
 19年 51勝 75勝
 20年 45勝 73勝
 21年 37勝 74勝
 22年 38勝 56勝

 圧倒的に関西馬の勝ち鞍が多い。しかし、今年は先週まで関西馬は38勝にとどまり、関東馬は55勝。初めて東西が逆転したのだ。

 確かにタスティエーラは堀厩舎、スルーセブンシーズは尾関厩舎。セントライト記念馬のレーベンスティール田中博厩舎である。
“西寄り”だったキャロットFが関東でも勢力拡大となれば、さらに目が離せない存在に。この傾向の変化を覚えておきたい。

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