【フィリーズレビュー・アネモネS】片やレースレコード、片や歴代2位でも、やはり本番はリバティアイランド1強か
公開日:2023年3月13日 14:00 更新日:2023年3月13日 14:00
中京が古馬GⅠ大阪杯の前哨戦なら、阪神と中山で行われたのは桜花賞トライアル。まず、阪神のフィリーズレビューを制したのはシングザットソングだった。
とにかく、流れに流れた。レースの前半3Fは33秒2、4Fは44秒9と古馬戦でもめったにない激流。3歳限定戦に限れば千四での「33秒2」は歴代2位の速さだった。
その中、勝ったシングザットソングは「好スタートが切れたのでいつもより前め」と吉田隼が話したように“強気乗り”。
4角では外めから4番手にまで接近し、直線はラスト1Fで早々と先頭へ。ペースを考えれば決して楽ではない中、後続の追撃を封じての先頭フィニッシュだから大したもの。走破時計の1分20秒7はフィリーズレビュー歴代2位だった。
一方、中山のアネモネSはレース史上初めて1分34秒を切る1分33秒8のレースレコード。この時計で駆け抜けたのがトーセンローリエだ。
ひとつ前に行われた古馬オープンの東風Sより速い前半3F34秒7を2番手からの競馬。直線は目前のライバル、2番人気のスピードオブライトを競りつぶして、最後は4角13番手のコンクシェルが飛んでくる展開をしのいで、3連勝を飾った。
東西とも上々の勝ちっぷり、記録というトライアルではあったが……。
例年なら本番も狙い目ありと言えるかもしれないが、今年は違う。本当の大物リバティアイランドは前哨戦は使わず、本番に直行するからだ。
デビュー戦が圧巻の上がり3F31秒4。2戦目のアルテミスSでは②着と取りこぼしたが、阪神JFは楽々と突き抜けて文句なしの快勝。②着以下には2馬身半差もつけており、明らかに同世代の中では1頭だけ別次元の競馬をすでに披露している。
どうやったら負かすことができるのかと思えるこの超大物にどこまで迫れるのか。記録が光る東西トライアル組でも、現状ではリバティ1強に思えてしまう。