【朝日杯フューチュリティS】サリオス圧勝GⅠ初制覇 断然人気が勝っても3連単9万馬券の〝ヒモ荒れ〟に

公開日:2019年12月16日 17:00 更新日:2019年12月16日 17:00

 強過ぎる走りに脱帽――といった具合か。

 GⅠ朝日杯FSは単勝2・0倍の1番人気サリオスが完勝を収めた。

 スタートを決めてすんなり好位3番手を確保すると、前半3F33秒8のハイペースも何のその。

 逃げ馬のラップは落ちることなく、5F通過も57秒2。2歳レコードだった1週前の阪神JFより0秒3も速い激流。それでも、サリオス自身は楽な形で直線を迎える。

 4角で外に膨らむ若さが唯一、見せた隙だったが、追われると反応良く力強い走りでグイグイと後続馬を突き放した。

 ②着馬に2馬身半差のVで勝ち時計は1分33秒0。阪神JFより0秒3遅くなったが、開催2週目で荒れてきたこと、前日の少量の降雨を考慮すれば、同等かそれ以上の評価ができるだろう。

 実際、大本命馬を負かそうと周囲にいたラウダシオン、ウイングレイテイスト、トリプルエース、ペールエールあたりは⑧⑨⑪⑯着に沈んでいる。それだけ先行勢には苦しかった展開を楽々と押し切るのだから、サリオスは単に完成度が高いだけではなく、“S級馬”の可能性を秘めている。

 2番人気のタイセイビジョンが[12][12][8]から長く脚を使って②着に入り、③~⑥着馬は人気薄の追い込み馬がズラリと並んだ。特に③着馬グランレイは単勝229倍の14番人気で、3連単は9万260円。直線勝負に懸けた無欲の馬が、展開に乗じて食い込んだ格好となった。

 サリオスが強過ぎたための事象でもあるが、思い出すのがディープインパクトの現役時代。②③着に人気薄が入るケースが時折あった。皐月賞②着シックスセンス(12人)、菊花賞②着アドマイヤジャパン(6人)、天皇賞・春③着ストラタジェム(8人)、宝塚記念②着ナリタセンチュリー(10人)……。馬券的な妙味として、覚えておいて損はないかもしれない。

 来春の路線選択も注目されるサリオス。快進撃がどこまで続くのか楽しみだ。

最新記事一覧

  • アクセスランキング
  • 週間