目黒貴子のアツアツ交遊録

〈115〉先日、JRA通算100勝を達成したばかりの原優介騎手(1)

公開日:2025年9月3日 14:00 更新日:2025年9月3日 14:00

 はじめて私が原優介騎手と話したのは、小桧山悟調教師が引退となり、そのお疲れさまゴルフコンペでのこと。にこやかで、目上の人たちから可愛がられている様子がうかがえて、思わず挨拶させていただきました。

 それがちょうどウィルソンテソーロとともにドバイワールドCに挑戦、④着となったすぐ後のことでした。小桧山元調教師にも「今度登場してもらっていいですか?」とお伺いをたてていたのです。

 そして今年6月。ご一緒した食事会でいよいよご本人にも登場をお願いしたところ、快くOKをいただくことができました。

 さて原騎手の第一印象はとても爽やかでいつもニコニコ。少し照れながらもきちんと取材対応をしてくれているというものでした。

 今回、実際に長い時間お話を聞いてみて思ったのは「芯があって常に前向きなしっかりした好青年」と印象が変わりました。

 競馬に対する向き合い方。どうすればひとつでも上の着順にいけるか。自分自身にも変化を課して、それがどういう意義があったのか。馬の状態をどう言語化して伝えればいいのか。さまざまな事柄に関して本当によく考えながら取り組んでいることを知りました。

 そしてこの原稿の締め切直前となる8月24日、新潟で4R、5Rを連勝!素晴らしいタイミングで通算100勝を達成してくれました。

 セレモニーには騎手仲間とともに小桧山悟調教師の姿が。「ホントは②着になった馬の応援に来たんだけど…(笑)」と言ったとか。

 これはいかにも小桧山さんらしい、冗談を言いながらもそ原騎手の区切りの勝利にはとてもうれしそうな表情なのがいいですね。原騎手自身もこの掲載の前には「決めたい」と言っていたので、私にとっても「おおー、ついに!」とうれしい瞬間でした。

「騎手1年目の勝利数は3勝だったんです。100勝することなく引退するんだろうな、なんて考えていたのを覚えています」。

これは取材の冒頭で、通算100勝にもう少しということを聞いた時の言葉です。夢をもって騎手になり、希望に満ちているはずの1年目。現実の厳しさを目の当たりにすることも多かったことでしょう。

 それでも「引退」ということを冷静にみていたんだなと少々驚きました。
(続きは9月10日に更新)

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