【ヴィクトリアマイル】アスコリピチェーノ国内制圧 マイル女王の次に目指すのは

公開日:2025年5月19日 14:00 更新日:2025年5月19日 14:00

ソングラインと同じローテが濃厚

 ゴール前は4頭の大激戦。だが、終わってみれば貫禄勝ち――。そんな力の差を見せつけるGⅠ2勝目となった。

 日曜東京のGⅠヴィクトリアマイルは1番人気アスコリピチェーノが直線一気を決めた。

 スタートはモッサリと出て、二の脚も決まらず、道中は後方から2番手。直線入り口でも15番手とかなり厳しい位置取り。

 大逃げで⑤着に粘ったアリスヴェリテがつくった前半5F56秒8はかなり速い流れ。2番手以降は離れていたとはいえ、稍重から7Rに良に回復したばかりのソフトな馬場を考慮すれば、先々週のNHKマイルCの5F56秒4と同等以上の激流。その恩恵もあっただろう。

 それでも、大外から上がり3F33秒3の末脚で1完歩ごとに前をかわし、最後の最後でグイッと②着クイーンズウォークを首差とらえたところがゴールだった。

 海外遠征帰り、1351メートルから千六に距離延長も、次戦を視野に入れた乗り方。そして、外枠で外、外を走る距離ロスがありながらも、最後は抜群の勝負根性を見せて勝ち切るのだから、役者が一枚も二枚も上だったということである。

 しかも、直線でエンジン点火までにタイムラグがあり、手前を何度もコロコロと替えていたように、いかにも約3カ月ぶりの実戦といった感じ。攻めた調整をしてきたとはいえ、次を見据えた仕上げだったのも確かだ。

 この後は中2週の安田記念か。このパターンは22~23年の安田記念で連覇を果たしたソングラインと同じである。しかも、ソングラインも同じ2月のサウジ遠征からの転戦なのだから、牧場サイドも勝手知ったる黄金ローテといえる。

 今年の安田記念はマイルCSとドバイターフを制して勢いに乗っているソウルラッシュが出走を予定。また、同期の牡馬GⅠ2勝馬ジャンタルマンタルもスタンバイしているように、かなりのハイレベルな戦いが期待できそう。

 アスコリも次はたたいた上積みもあるだろう。真のマイル王者はどの馬なのか。今から楽しみな一戦となりそうだ。

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