【弥生賞ディープインパクト記念、フィリーズレビュー】〝世界のヤハギ〟が牡牝トライアルに送り込む2頭
公開日:2025年3月5日 14:00 更新日:2025年3月5日 14:00
先月22日はサウジからチーム力の強さを発信
〝世界のヤハギ〟が、牡牝のクラシックトライアルへ有力馬を送り込む。
矢作厩舎は、先月22日、サウジカップデーで大いに沸かせた。まずはGⅡネオムターフカップのシンエンペラーだ。力でねじ伏せた競馬であった。内枠から積極的にハナを取りに行き、4角からも促して後続を離しにかかると、そのまま、寄せ付けずに快勝した。
そして、深夜の眠気を吹き飛ばしたのが、発走が午前2時40分、フォーエバーヤングのサウジCだろう。
大外ゲートから積極的に前へ。直線は押し切りを狙ったロマンチックウォリアーに先頭を譲ったが、その外からひと完歩ごとに差を詰め、残り50メートルで並ぶと最後は首差かわし切って世界制圧を決めた。後続に10馬身以上もの差をつけたこのマッチレースは、既に2025年ナンバー1レースの呼び声が高い。また、矢作厩舎にとって23年パンサラッサに続く2度目のサウジC制覇となった。
シンエンペラー、フォーエバーヤングの手綱を取ったのはともに坂井。チーム力の高さをかんじさせる結果だ。
フィリーズRのモズナナスターは千四向きで勝負気配
その矢作厩舎は今週、国内の土日重賞Vを狙う。土曜の阪神・フィリーズレビューの桜花賞トライアルへモズナナスター、皐月賞を目指す一戦となる日曜中山の弥生賞ディープインパクト記念にはジュタを出走させる。
前者は、阪神内回り千四の舞台がいかにも合うタイプだ。同じ千四は2走前の京都・ファンタジーSだが、ハナを切り、鼻差の②着。ゴール前でバランスを崩すシーンがありつつも接戦を演じている。
前走のGⅠ阪神JFにも7F適性を感じさせる走りだった。逃げを打った僚馬ミストレスの直後3番手。手応えよく運ぶとインを突いた直線はいったん、先頭へ出ている。ただし、当時の京都は10月から開催10週目。アルマヴェローチェ=ビップデイジーの外差し決着となった。芝の傷みが目立つ内側で、残り1Fまで踏ん張る⑨着だった。
「メンコを着けたことでテンションを上げずに調整できているのもいいですね。千六のGⅠでも頑張れましたが、千四はよりいい距離です」
岡助手はこう期待を寄せる。3週連続での坂路併せ馬にも、ここ勝負の雰囲気が漂う。
弥生賞ジュタはさらにスケールアップ
ジュタは、東京でのデビュー勝ち直後に、中4週で挑んだホープフルSで④着。勝ち馬クロワデュノールは2馬身と抜けたが、②着馬とは0秒4差。フルゲート16頭の大外枠から上位に食い込んだように舞台経験もある一頭だ。
その実力を示したのが、年始の若駒Sだろう。好位4番手から直線であっさりと馬群を割って2勝目。1番人気に応えてクラシック路線に乗ってきた。
「期待通りに勝ち切ってくれましたね。中間も順調ですよ。中山はホープフルSで経験していますし、折り合いが問題ない馬で操縦性が高いのがいいですね。皐月賞に向けていい競馬をしてくれたら」
この中間の調教過程は、追い切り速報の通り。縦列で調教する矢作トレインを始め、精力的な乗り込みは目立つ。一段とスケールアップしたジュタの姿がある。
東西重賞ともに、勝って本番のシーンを作るか。