【サウジカップデー】日本馬4勝で、真価が問われる次のドバイミーティング

公開日:2025年2月23日 13:00 更新日:2025年2月23日 13:00

 サウジCの公式Xは「キングアブドゥルアジーズ競馬場での日本人の乗っ取り」と日本語で見出しをつけた。

 確かにそういうフレーズはピッタリかもしれない。

 サウジカップデーの前半、GⅢサウジダービーはシンフォーエバーが②着、GⅡリヤドダートスプリントのガビーズシスターは③着までだったが、後半は猛チャージ。

 芝二千百㍍のGⅡネオムターフCをシンエンペラーが逃げ切り、まず1勝。

 続くGⅡ1351ターフスプリントは逃げたウインマーベルをゴール前でアスコリピチェーノが捕らえて、日本馬のワン・ツー。

 さらに三千㍍のGⅡレッドシーターフハンデに出走したビザンチンドリームは最後方からあっさりとまくり、昨年のGⅢきさらぎ賞以来の勝利となった。

 そしてメインのサウジCはフォーエバーヤングが先に抜け出したロマンチックウォリアーを競り落として、初の海外GⅠ制覇。この日、日本勢は4勝。勝った4頭の獲得賞金だけでも21億円超えだから、凄いの一言に尽きよう。

 2020年から始まった、このサウジカップデー。日本馬は毎年、勝利を挙げている。

 20年はフルフラットがサンバサウジダービーカップ(現在のサウジダービー)を制し、21年はピンクカメハメハがサウジダービー、リヤドダートスプリントをコパノキッキングが勝利した。

 そして22年はネオムターフカップ=オーソリティ、1351ターフスプリント=ソングライン、レッドシーターフH=ステイフーリッシュ、リヤドダートスプリント=ダンシングプリンスと4勝。すべてルメールの手綱で、ルメール自身の稼ぎっぷりも話題になった。

 23年は1351ターフスプリント=バスラットレオン、レッドシーターフH=シルヴァーソニックに、サウジCをあのパンサラッサが劇的な逃げ切り。

 昨年はフォーエバーヤングがサウジダービーに勝利。世界ツアーはここから始まった。さらにリヤドダートスプリントをリメイクが制している。

 それにしても、なぜこんなにサウジアラビアで日本馬は強いのか。

 もちろん、日本の競馬がレベルアップしているのは言うまでもない。

 だが、一方で暮れの香港では23、24年と連続して未勝利に終わっている。

 また、日本馬は昨年、海外で5勝したが、いずれもGⅡ、GⅢであり、フォーエバーヤングのサウジC勝ちは23年ウシュバテソーロのドバイワールドC勝ち以来、およそ2年ぶりのことなのだ。

 この背景にはやはり施行の時期が影響しているのかもしれない。

 今年、サウジCにアメリカの大物参戦が噂されたが、結局は実現しなかった。だが、ウシュバテソーロが②着だった昨年はどうだったか。

 勝ったセニョールバスカドールは米国調教馬で、さらに③着サウジクラウン、④着ナショナルトレジャーもそう。⑩着に敗れたが、23年のBCクラシック馬ホワイトアバリオも参戦していた。そう、ダートの競馬で米国が本気を出せば、簡単に勝てるレースではないのは言うまでもない。

 また、2月ということもあって欧州はシーズンオフ。一流馬の参戦は見込めず(レベルスロマンスがカタールに参戦した例はあったが……)、芝の競馬は欧州勢がいなければ、当然、日本馬は上位にランクできる。

 欧州の芝馬は来年以降もなかなか強い馬の参戦は見込めそうにないが、ダート競馬は米国次第か。

 実際、今年、ダート千二のリヤドダートスプリントを制したのはストレートノーチェイサー。昨年のBCスプリント馬である。このカテゴリーは本当に米国が強い。

 次のドバイワールドカップデーには欧州勢も早くから始動する馬が例年、参戦してくるし、シーマクラシックではカタールでアミールTを勝利したレベルスロマンスが、連覇を狙って使ってきそうだ。

 そしてロマンチックウォリアーは予定通り、ダートのドバイワールドCではなく、芝のドバイターフへ向かう。ドバイでも次々と日の丸が揚がるようなら本物だが……。

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