（１月２２日分から続く）
　寂しくなると言えば、西園調教師も定年まであと1年とちょっと。なんだか信じられない気分です。

　騎手として２４年、調教師として現在２８年目。「ここまでこれたのは大根田裕也調教師のおかげです。厳しかったけど、心温かい人でした。人としてこうあるべきだと1から１０まで教えてもらいました。心底可愛がってくれてね。感謝しかありません」。と振り返ります。

　西園調教師が私たちにも優しく楽しく接してくれるのは、もともとの性格の良さとその教えの賜物なんだろうと思います。ふと「それは今の大根田裕之調教師のお父様ですか？」と聞いたところ、「そうそう！彼(大根田裕之調教師)は僕の4つ下でね、よく一緒に金勝山(栗東トレセン近くの山)にわらびとかぜんまいとか取りに行ったよ」。またまた、おもしろエピソードです。なんだか意外な話で「本当ですか？」なんて聞き返しちゃったり。
　
　個人的に聞きたかった馬もいます。アフリカンゴールドです。

　２２年の京都記念を逃げ切り勝ち。実に１２番人気での勝利でした。それからしばらくしてＳＮＳを見ていたら「アフリカンゴールド(本人)」とするアカウントがあり、出走の機会だけではなくさまざまな機会に投稿されていました。

「なるほど、これは担当の厩務員さんが書いてるんだな」なんて思っていたのですが、「あれ違うんですよ！アフリカンゴールドのファンの方が書いてくださってるんです」

　えええーっ！「ホントですか？　あんなに詳しいのに？」と聞き返してしまいました。

「ホントそうですよね。よく知ってるなぁって思ったりしてました。でも本当に厩務員とかではないんです」。これまた意外なお話。

「でもおかげさまで本当に人気があってね。御守りを送ってくれたり、『ひたむきに逃げる姿に惹かれた』って言ってもらえたり。アイドルホースオーディションでも優勝させてもらったりね。ジャックドールの藤岡調教師からは『なんでうちの馬、GⅠ取ってるのにアフリカンゴールドに負けるの?』なんて言われたりね」。現在は阪神競馬場で誘導馬として活躍しています。

「近くにいるし、誘導馬としても頑張ってほしいよね」。誘導馬のプロフィールをみると、今でもアイドル気質全開のようですね。頼もしい存在です。
　　
　話は少し脱線してしまいましたが……
（続きは２月５日に更新）