阪神ジュベナイルF、朝日杯フューチュリティSのダブル制覇はあるか アルテヴェローチェで挑む大野照旺氏

公開日:2024年12月12日 14:00 更新日:2024年12月12日 14:00

現2歳の所有馬はわずか3頭

 1990年まで、2歳のGⅠは東西で同日に行われていた。

 中山で朝日杯3歳S、阪神で阪神3歳S(ともに表記は当時のもの)である。

 それが牡馬(ただし、牝馬も出走可能)が朝日杯、牝馬が阪神3歳牝馬Sとなり、01年にはそれぞれ朝日杯フューチュリティS、阪神ジュベナイルフィリーズと名称を変更。さらに14年からはどちらも阪神で行われることとなった。なお、ホープフルSがGⅠとなったのは17年のことだ。

 では、この2歳マイルGⅠを同一年に制した例はどれくらいあるのだろうか。グレード制導入以降で調べてみると……。

 ジョッキーは2人。

 まずは02年の福永(現調教師)。阪神JFをピースオブワールドで、朝日杯FSをエイシンチャンプで制した。

 もう1人は蛯名(同)だ。14年に阪神JFをショウナンアデラ、朝日杯FSをダノンプラチナで制している。

 調教師は1人だけ。16年に藤沢和雄師(22年2月で定年)が阪神JFをソウルスターリング、朝日杯FSをサトノアレスで勝利している。

 種牡馬は2例。09年にキングカメハメハが阪神JF=アパパネ、朝日杯FS=ローズキングダムで達成。前記の14年の勝ち馬はともにディープインパクト産駒である。

 では、馬主は……。

 この2歳両GⅠを最も勝っているのがサンデーレーシング。06年朝日杯FS=ドリームジャーニーから、昨年の阪神JF=アスコリピチェーノまで10勝している。だが、同一年となると一度もない。それは5、4勝している社台レースホース、キャロットファームでも同様だ。

 この偉業に挑むのが個人馬主の大野照旺(おおの・てるお)氏だ。

 先週の阪神JFをアルマヴェローチェで制覇。鞍上の岩田望と同じく、大野氏にとってもこれがGⅠ初制覇だった。

 しかも、凄いのが所有馬の数である。

 現役の所有馬は7頭しかおらず、2歳世代はアルマヴェローチェと、このアルテヴェローチェ、さらにセリオヴェローチェという未勝利馬のみ。未勝利馬とはいえ、10月6日の新馬戦②着の後、休養中。勝ち上がりは時間の問題で、3頭中、2頭が重賞勝ち馬なのだから驚く。しかも、ともにGⅠ馬となれば……。

 果たして、快挙は達成されるか。注目したい。

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