【CBC賞】実績があった馬、縁もあったトレーナー 福永師ドロップオブライト勝利の背景とは
公開日:2024年8月19日 14:00 更新日:2024年8月19日 14:00
開業初年度で見せた仕上げの手腕
中京で行われた「サマースプリントシリーズ」第4戦のCBC賞を制したのはドロップオブライト。馬自身、さらに管理する福永師にとっても、これがうれしい重賞初制覇となった。
時計が際立って出ている今の中京。それだけに少しのロスが明暗を分けることも多く、1番枠発走は理想的だった。
「スタートを出たら、ある程度のポジションを取っていこうと。最後も内なのでうまくさばけたらと思っていました」
そう振り返ったのは幸で、レースはまさにその言葉通り。道中は絶好位の3番手インに。馬場状態を思えば、これ以上ないベストポジションだ。最後は好位差しのお手本のような競馬で抜け出して、スズハロームの猛追を首差封じてのフィニッシュだった。
理想的な競馬ができたとはいえ、思えば中京はこれまで馬券を外したことはなく、3勝クラスを勝ったのもここ。オープン入り後は京都、阪神、東京で千四~千六を使われて勝てなかったが、この舞台なら話は違ったということか。
舞台でいえば、管理する福永師も騎手時代から“縁”があった。
CBC賞では3勝を挙げており、さらにGⅠ高松宮記念でも歴代最多タイとなる3勝をマーク。それだけでなく、初騎乗初勝利の鮮烈なデビューを飾ったのがこの中京。そして17年に通算2000勝の大記録を達成したのもここで、さらに21年の史上5人目の2500勝もそうだった。
中京が得意のイメージで印象的な勝利がとにかく多く、今回は調教師として初の中京重賞参戦でいきなり結果を出した。
「目イチに仕上げて体も増えていたようにこちらの調整にしっかり応えてくれました」とはレース後の師で、単なる縁だけでなく、“勝負仕上げ”を施して狙って取ったタイトルだ。
開業初年度のトレーナーが重賞制覇を決めるのは実に3年ぶり。その手腕を披露した結果に、今後もトップステーブルへの道を歩むことへの期待が高まった。