【大阪杯】ベラジオオペラ戴冠につながった陣営の用意周到さと競馬のうまさ
公開日:2024年4月1日 14:00 更新日:2024年4月1日 14:00
春GⅠシリーズの第2戦、大阪杯を制したのは横山和のベラジオオペラだった。
持ち味の機動力をフルに発揮した結果だろう。「馬場の様子を見て、ある程度、前めの位置はほしいと思っていた。それがかなう馬なので主張した」と鞍上が回顧すれば、「昼に(横山和と)確認したら、まったく同じ作戦。ハナでもいいと思っていた」とは上村師だ。
緑帽から押して前へ。勝ちに行く作戦が見事に的中した。内からハナを切ったスタニングローズの外につけると、番手でペースをコントロールした。ここが一番の勝因だろう。3F目から12秒5―12秒6とラップを落とせ、前後半5Fは60秒2=58秒0と2秒以上も違った。前半で12、13番手にいた外ローシャムパーク、内ルージュエヴァイユの猛追を最後にしのげたのも、この前半の入りがあればこそだった。
昨秋の菊花賞を使えない時点で、この大阪杯を目標にしてきたことは周知の事実。二千メートル中心の番組、ローテーションを組み、本番で勝ちに行く競馬をしてビッグタイトルをものにした。同期の皐月賞馬、日本ダービー馬に水をあけたから、成長力と同時に厩舎力を示した一戦でもあったか。
進化を問われるのはこの先のドバイ組との対決
こうなると、2つ目のタイトルがどこになるかが焦点となる。
GⅠ大阪杯での過去7頭のウイナーたちは大きく二分される。
17年キタサンブラックはその後、ビッグタイトル3勝を積み上げ、翌年のスワーヴリチャードはジャパンC、20年ラッキーライラックはエリザベス女王杯を勝った。
対して、アルアイン、レイパパレ、ポタジェ、ジャックドールはその後の勝利すらない。後者を色分けすると、“二千メートル特化型の先行馬”であることが分かる。
今回のベラジオは機動力を生かし切った。今後は強力なドバイ遠征組との対戦も待っている。それを乗り越え、4歳世代を牽引して行くには、さらに競馬の幅を広げてニュー・ベラジオに進化できるかにかかってくる。