【高松宮記念】マッドクール内ラチ沿いを攻めて戴冠
公開日:2024年3月25日 14:00 更新日:2024年3月25日 14:00
実に5年連続の道悪競馬で雨に笑った馬と泣いた馬
中京で行われた春のGⅠシリーズ開幕戦となる高松宮記念。制したのはマッドクール。重賞初制覇がGⅠという大仕事をやってのけた。
今年も雨だった。梅雨の影響もある6月の宝塚記念などとは違って季節はまだ春先。それでも近年の高松宮記念ほど雨が多いGⅠは他にはない。
今年は前日土曜日の午前中には雨の影響で稍重から重馬場へ。以降もそれは変わることなく、重馬場でレースを迎えることに。2020年から順に重、重、重ときて昨年は不良だから、実に5年連続で道悪での施行になった。
この馬場だけに“泣き笑い”が出てくるのは当然で、笑ったクチで言えばもちろん、マッドクールだ。
オープン初勝利の中山・春雷Sが“重”でのもので、馬体重540キロは出走馬でも最高体重。パワー馬場を気にしない下地があったうえに「直線は内ラチのギリギリを攻めようと」はレース後の坂井。雨の影響もあって内めは荒れも目立っていたが、外差し傾向ではなく、ラチ沿いは1頭分ほど傷んでいない状態も。
他馬が雨の荒れ馬場に脚を取られる中、ロスなくVロードを通ってきたということ。昨秋のスプリンターズSでは鼻差②着に泣いて、今回は頭差でリベンジとなった。
逆に道悪に泣いた馬も多い。
昨年の最優秀スプリンターのママコチャは過去に不良の未勝利戦③着、稍重の阪神牝馬Sでも⑨着で今回も⑧着止まり。1番人気に推されたルガルは⑩着で「スタートは出ましたが、直線で伸びなかった」とは西村淳。シルクロードSのような脚は見られなかった。
さらに⑥着トウシンマカオのルメールは「緩い馬場でいつも通りの走りができなかった」なら、⑭着ソーダズリングの武豊も「この馬場で嫌気を出して」と振り返った。
ともあれ、雨馬場でのラッキー、アンラッキー。そして馬自身の巧拙で、本来の実力を発揮できなかった馬も多かった印象が強く残った。