【阪神大賞典】テーオーロイヤル名馬級の着差で完勝

公開日:2024年3月18日 14:00 更新日:2024年3月18日 14:00

初の京都コース克服で盾取りへ

 阪神で行われた阪神大賞典はまさに独壇場。勝ったのはテーオーロイヤルで前走のダイヤモンドSに続いて重賞連勝を飾った。

「重い馬場の経験がないのでどうかと思ってはいました」

 レース後の菱田がそう語ったが、“稍重”馬場でもその強さに陰りがなかったどころか、さらに増幅された結果だった。

 道中は好位インの3番手。鞍上、鞍下の呼吸もぴったりで、いつでも前をかわせそうな手応え。そして、直線でハナを切っていたジャンカズマ、2番手ディアスティマのあいだにスペースができると、あとは追えば追うだけ伸びてのフィニッシュだ。

 結局、②着ワープスピードには5馬身の0秒8差。この伝統ある長距離レースでGⅡだけにこれほど着差がつくことはレアケースだ。グレード制以降の阪神で極端に巧拙が出る重馬場を除けば、0秒8差は01年ナリタトップロードに次ぐ着差。メジロマックイーンらと肩を並べるほど。類いまれなステイヤー資質が出た結果と言えよう。

 これで骨折の長期離脱から復帰して、初戦のアルゼンチン共和国杯⑩着の後にステイヤーズS②着。そこからダイヤモンドS、阪神大賞典と重賞タイトルを上積み。さらに「前回が58・5キロでダメージを心配したけど、全くなかった。それだけにこの後も大丈夫だと思う」とは管理する岡田師で、天皇賞・春へ王手といったところか。

 残った課題といえば経験値か。昨年の前半は全休で秋は関東エリアでの戦い。そう、これまで京都競馬場での出走経験がない。淀は3角の坂の上り下りがある特殊な舞台で、そこをどう乗りこなすか。

 それでも、ステイヤー路線に強力なライバル不在の現状で今回の走りを見せられれば心配も稀有に終わるか。ともあれ、次の大舞台での走りが楽しみでしかない。

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