【アメリカJCC】見事なゴール前でチョイ差し キングがチャックネイトで短期免許ジョッキーの重賞一番乗り

公開日:2024年1月22日 14:00 更新日:2024年1月22日 14:00

ハーツ産駒の6歳馬で伸びしろもまだ十分

 ギッチリギッチリ追われて、もぎ取った勝利。人馬ともにうれしい初重賞Vとなった。

 日曜、中山で行われたGⅡアメリカJCCは、金子真人HDの同じ勝負服でのたたき合いとなったが、3番人気チャックネイトが鞍上の叱咤激励に応えて、先頭でゴールインを果たした。

 キングは引き揚げてくる時に管理、そして身元引き受けの堀調教師と馬上でハイタッチをして、笑みを浮かべた。この1月から短期免許で来日している33歳の女性ジョッキー。英国出身で豪州に拠点を置き、札幌で行われた昨夏のWASJは①②⑧止の成績で1点差の2位だった。

 今回の短期免許は3月5日まで。この中山開催7日間で5勝を挙げている。重賞勝ちのみならず、特別勝ちも2勝あり、高額条件での勝負強さを見せている。

 キングのうまさは当たりの柔らかさで馬と折り合い、最後もしっかり追ってくること。逃げ、先行馬では二枚腰を見せるほど脚を持たせる。そして追わせる馬では、この日の重賞勝ちがまさにキングの真骨頂と言っていいだろう。

 外枠ながらも無理せずに1角の入りで3番手を確保。道中はピクリと動きもせず、4角手前からゴールまで追い通し。②着馬に後ろからかわされて前に出られても、鞍上は諦めなかった。

 馬はジリジリと伸び続け、不良馬場でも最後まで追う姿勢はブレることなし。技術、気力、体力を存分に発揮したこの勝利。鞍上の力での鼻差Vといえよう。

 身長154センチと日本人女性騎手とは体形的にはそう変わらないから、若い女性騎手が目指す完成形かも。今週からは直線が長い東京開催替わり。ジョッキーとしての持ち味がより生きそうだ。

 もちろん、チャックネイトもこれが重賞挑戦2戦目での勝利。6歳馬ながらまだ15戦しか走っておらず、掲示板を外したことがない堅実ぶりが売り。そして、何よりもハーツクライ産駒らしい成長曲線で、これからの伸びしろが大きいだろう。

 スタミナ豊富なだけに春の天皇賞に向けて、面白い馬が台頭してきた。

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