【有馬記念】史上初の3世代ダービー馬対決 3歳タスティエーラ
公開日:2023年12月19日 14:00 更新日:2023年12月19日 14:00
若さがあり、秋の消耗も少ない
3歳タスティエーラ、4歳ドウデュース、5歳シャフリヤール。今年の有馬記念は3世代のダービー馬が揃う。これはレース史上初めて。ジャパンCで08、17、19、21年に実現したのみ(21年は4世代のダービー馬が出走)である。そもそもダービー馬が有馬記念に2頭出走するのも、18年の4歳レイデオロ(②着)、5歳マカヒキ(⑩着)以来になる。
過去のワン・ツー決着も11年に3歳オルフェーヴル、4歳エイシンフラッシュがあるだけ。初の3世代対決の行方はどうなるのか。まずは各馬の周辺を探っていく。
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今年のダービー馬タスティエーラはここまで異例ともいえる戦歴を歩んできた。
3歳初戦の共同通信杯で④着に敗れると、そこから中2週の弥生賞ディープインパクト記念を勝って皐月賞へ。
近年はレースでの消耗を抑えて、ぶっつけでのクラシック参戦も珍しくない。年明けに重賞3戦目が皐月賞だったダービー馬は12年ディープブリランテ以来のこと。
しかもダービー制覇は初コンビだったレーンの手綱によるもの。テン乗りで勝ったのは1954年ゴールデンウエーブ以来、69年ぶりだった。
さらに、秋のローテーションも異彩を放っている。そう、今度はステップレースを使わずに直行で菊花賞に臨んだのだ。
同じ勝負服のドゥレッツァに敗れたものの、3冠皆勤で②①②着。あらためて世代トップクラスの実力は示した。
有馬記念に向けてという意味では、最小限の消耗に抑えられたことは大きい。中8週で中間はノーザンファームしがらきへ放牧。帰厩後は順調に調整が進められた。
先週木曜の1週前追い切りはウッドの3頭併せで最先着。6F80秒9―35秒7、1F11秒1の好時計をたたき出した。
「菊花賞の疲れはすっかり取れて、フレッシュないい状態です。短期間の休養で体調が良くなり、力強さが加わってきた印象も受けます」(堀師)
万全の状態で臨む今年のダービー馬が、先輩たちを一蹴するシーンがあってもおかしくない。