今週から復帰の武豊 ここまでの過程と意気込みを語る

公開日:2023年12月13日 14:00 更新日:2023年12月13日 14:00

 武豊が今週から実戦復帰する。

 天皇賞・秋の日、東京5Rに騎乗後、脱鞍の際に馬に蹴られて筋挫傷の診断が。「当初は2週間も休めばと思っていた」(武豊騎手)ものの、「想像以上に治るスピードが遅いため」にジャパンCのドウデュースも乗ることはできなかった(戸崎とのコンビで④着)。

「ようやく騎乗姿勢が無理なく取れるようになった」のが先週金曜。ケガをして以来、初となるトレセンへ。弟である武幸厩舎のセキフウで調教に騎乗した。

 そしてけさ(13日)の調教に騎乗し、正式に復帰にゴーサイン。「長かったですね。きのうくらいからいけそうな気がしていました」。7週間ぶりの競馬となる。

 まず乗ったのは朝日杯フューチュリティSでコンビを組むエコロヴァルツ。坂路で併せ馬を行い、3馬身ほど先着した(詳細は別記事にて)。その後、報道陣に囲まれ「今週から乗ります」ときっぱり。

 ケガついては「めちゃくちゃ痛かった。きつかったですね。天皇賞を含めて楽しみなレースが多かったので、このタイミングか……と思いました。早く復帰することをだけを考えていました。何もしなかった日はないですね。ありとあらゆることをやってきました」。

 また、エコロヴァルツについては「フットワークがいい。能力、素質を感じます。マイルもいいんじゃないかな」と好感触。実際、札幌のコスモス賞は2番手でやや行きたがる面を見せ、向正面では先頭に。そのまま押し切り、最後は1秒差をつける圧勝劇だった。

 ここまで2戦2勝。まだ底を見せていないし。「(陣営が復帰を)待っていてくれた」とあっては、当然、力が入るところだ。

 来週の有馬記念ではドウデュースと再コンビ。「天皇賞はアイシングしながら、横たわって見ていました」そうだが、最高の相棒の存在は「心の支えになった」とも。その国民的行事の枠順抽選会の日は「名古屋グランプリがの騎乗があって参加できない。オレの見せ場がなくなった」と笑わせたあたり、コメントも相変わらず超一流だ。

 もちろん、ドウデュースの1週前追いにも騎乗。馬から下りてきた時の表情はニコニコ。それだけで十分、感触の良さは伝わってくる。

 なお、来週はいつも通り、厩舎スタッフが手綱を取って追い切る予定。

 さて、注目の復帰戦は土曜中山のターコイズSになるもよう。

 コンビを組むのは昨年、オークス、ローズSなどで騎乗していたソーダズリング(ともに⑧着)。「ちょっと距離が長いかな、という感じはあった」とのことで、休み明けの前走、三年坂Sは初のマイル戦。きっちりと勝利をモノにし、再びのオープン入りを果たした。

 ターコイズSは武豊にとって数少ない、まだ騎乗したことのない重賞。初騎乗V、復帰Vと見出しが〝踊る〟ことになるのか。いずれにせよ、レジェンドの復帰はこれ以上ない、明るい話題といえよう。

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