新潟２歳Ｓ勝ち（Ｃ）日刊ゲンダイ

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　今年、美浦の坂路コースは大改修を行った。全長１２００㍍、高低差３３㍍とより負荷をかけられるコースとなった。

　その工期の間、普段から坂路を使用した美浦勢は栗東へ滞在。美浦と変わらない調整を続け、結果も出してきた。宝塚記念のイクイノックスもそう。週半ばはＣウッド追いだが、全休明けの火曜に金（または土）と坂路入りして日曜に坂路追い。坂路ベースで馬をつくってきたのはご存知のとおりだ。その後も栗東滞在から関西ＧⅠへ出走するケースは増えてきた。

　レース名、栗東滞在関東馬、その着順を挙げると、

《宝塚記念》
イクイノックス　　①着
スルーセブンシーズ②着
ジオグリフ　　　　⑨着

《秋華賞》
キタウイング　　　⑫着

《菊花賞》
ハーツコンチェルト⑥着
シーズンリッチ　　⑫着

《エリザベス女王杯》
ブレイディヴェーグ①着
サリエラ　　　　　⑥着
ククナ　　　　　　⑩着

《マイルＣＳ》
シュネルマイスター⑦着

　先週にチャンピオンズＣを制したレモンポップも実は工事期間中に栗東へ滞在し、坂路を使用した一頭。そこから南部杯、チャンピオンズＣと強く連勝した。調整を替えずにこれたことはプラスに作用しているとみていいだろう。

　今回の２歳ＧⅠはアスコリピチェーノ、スレテンボッシュの２頭。前者は３週前の先月１７日に。後者は２５日に栗東へと移動して調整を積んできた。ここは３週間と時間をかけたアスコリにスポットを当てたい。

「父ダイワメジャー、短距離馬だった母アスコルティと血統的に気性が高ぶりやすく、入厩時は特にナーバスになりやすいので、美浦と同じ調整をすべく、早めに滞在させました」と黒岩師はこう教えてくれた。

「思った以上に気性の高ぶりもなく調整できているので精神面の成長は感じますね。それもあり、積極的にトレーニングができました」とこう続ける。

　けさの動きは別記の追い切り速報の通りだが、先月２３日からＣウッドで３本と併せ馬を消化。６Ｆ８２秒６、１週前は７９秒３と好時計をマークした。前２戦の美浦での調整は、ウッドコース主流だったが、栗東入り以降は週４度も坂路入りし、週末には４Ｆ５４～５、ラスト１２秒台を３度マークしてきた。２歳牝馬とすれば、十分過ぎるくらいの調教量をこなしている。

「それでも、落ち着いているんです。決して早熟の馬ではないですよ。初戦は想定外の競馬で勝ってくれて、前走は出遅れたところから位置を取り、押し切ってくれた。こちらの想像以上の競馬をしてくれています。大きなフットワークなので阪神は合いそうですし、楽しみですね」

　期待を込めて力強くこう展望した。関東馬が優勢の秋ＧⅠ。またまた、栗東滞在馬が結果を出すか！？