【ジャパンC】イクイノックス新たに目指す頂は世界の賞金王
公開日:2023年11月21日 14:00 更新日:2023年11月21日 14:00
初の中3週でも1週前は通常メニュー
さらなる頂へ――。未到の地に向けてイクイノックスが邁進する。
全世界が注目した天皇賞・秋は満点回答、いや想像以上の走りで強烈なインパクトを与えた。
東京二千メートルを1分55秒2。驚異の時計で悠々と駆け抜け、従来のレコード記録を0秒9も更新。恐らく、世界レコードの可能性もあるこの快走は、前後半の5Fが57秒7―57秒5と極限までに引き締まった力と力の対決。まさに天覧競馬にふさわしい、歴史に刻まれる名勝負だった。
これで国内外のGⅠを5連勝。レーティングは3月のドバイシーマクラシックで記録した129ポンドを上回ることはできなかったが、その走りはすぐに全世界に打電され、「この時計で走ったら、ジャパンCに外国馬は出走しにくくなったよね」とはサンデーレーシングの吉田俊介代表だ。
その言葉通り、今年のジャパンCは外国馬2頭の登録があったものの、1頭が先週木曜に辞退。やはり今回も主役はイクイノックスで揺るがない。
今回の焦点は初めての連戦だろう。これまでは最短の間隔でも皐月賞②着→ダービー②着の中5週。それが中3週になる点だ。レースの2日後に放牧に出ると、11月10日に帰厩。わずか11日間で馬体のチェック、無事を確認してから戻ってきた。
「あれだけの時計で走ったわけですから、疲れがないことはあり得ません」と木村師も慎重な姿勢を崩さない。
それでも、すぐに坂路入りし、1週前はウッドで7F97秒7、1F11秒4と長めから負荷をかけた。これは木村厩舎の通常メニューだ。手前転換もスムーズで四肢を伸ばしたフットワーク。普段の1週前のルーティンを消化したということは、裏を返せば順調の証しでもある。
ここを勝てば、GⅠ出走機会6連勝でテイエムオペラオー、ロードカナロアと肩を並べて最多タイに。そして、獲得総賞金は海外分を含めて現在の17億1158万円に①着賞金5億円、さらにドバイシーマC勝ち馬による褒賞金200万ドル(現在のレートで約3億円)が加算して計25億円超えとなり、歴代1位となる。
天才少年がデビューからわずか2年3カ月でたどり着いた頂点。誰も見たことない景色はもう目の前だ。