「非常に満足いく状況にあります」（高野師）

　ナミュールに注目だ。

　春は東京新聞杯②着後に一息入れて、ヴィクトリアマイル、安田記念と続けてＧⅠに参戦した。初戦は向正面で両サイドから挟まれる不利があって⑦着。２戦目は後方から運び、いい手応えで直線を向いたが、またも挟まれる不利で⑯着。ともに力を出し切れないまま終わってしまった。

　夏場は放牧で充電し、秋初戦には富士Ｓを選んだ。道中は中団の後ろを追走。直線では進路をつくると、力強く脚を使った。残り１Ｆ過ぎで先頭に立ち、外からレッドモンレーヴが迫ってくればもうひと伸び。１馬身４分の１差をつけてゴールを駆け抜け、３歳春のチューリップ賞以来の勝利を飾っている。

「前走、いい競馬ができました。狭いところを割ってきたようにも見えましたが、パトロールで確認すると見た感じより狭くはなかったかな。ただ、安田記念の状態だったら、あそこを割ってこれなかったかも。そこを出てこれたのは、馬も元気で走れる状況にあったということ。あらためて、いい状態で出走できればやれることが分かりました」（高野師）

　レース後は放牧に出され１１月３日に帰厩。順調に乗られ、先週８日には坂路４Ｆ５５秒８―１２秒０を馬なりで駆け上がっている。

「１週前の動きも良かったですね。非常に満足いく状況にあります。ＧⅠでコンスタントに戦えている馬で距離もオールマイティー。奥深さを感じる馬ですし、いつかは大きなレースを取らせたいと考えています」

　昨秋の秋華賞では僚馬スタニングローズの半馬身差②着だった。ＧⅠウイナーの仲間入りとなるか。