重賞の傾向が教える 今年の3歳は中距離特化型か
公開日:2023年11月9日 14:00 更新日:2023年11月9日 14:00
ブレイディヴェーグが好走する可能性も
今年のエリザベス女王杯には3歳から6歳まで4世代の牝馬が出走してくる。
6歳はイズジョーノキセキ1頭だけ。5歳は昨年の勝ち馬ジェラルディーナ、府中牝馬S馬ディヴィーナなど6頭で、質量ともに豊富だ。
4歳は昨年の②着馬ライラック、重賞2勝のアートハウスや良血サリエラなど5頭、3歳はローズS②着のブレイディヴェーグ、オークス②着のハーパー、昨年の阪神ジュベナイルフィリーズ②着のシンリョクカの3頭となっている。
このレースが3歳と古馬の対決に変わった96年以降、3歳は8勝、4歳が13勝で、5歳は6勝。6歳以上の勝ち馬はいまだに出ていない。数字上は4歳が圧倒的だが、出走数も最多。ほぼ3世代は互角といってもいい。
では、今年の重賞の勢力図としてはどうか。
ここまで3歳以上の重賞に30頭が出走して〈4 1 0 25〉。年末までの数字で前5年の3歳の重賞勝利数が10、6、5、11、9と世代によってかなりバラバラだ。現5歳世代は11勝とかなり多かったことが分かる。
この世代を振り返ってみると、アイビスサマーダッシュをオールアットワンス、札幌記念をソダシ、北九州記念をヨカヨカ、キーンランドCをレイハリアと夏競馬で3歳馬が大活躍。
秋になるとスプリンターズSをピクシーナイトが制し、毎日王冠はシュネルマイスター、富士Sをソングライン、天皇賞をエフフォーリアとますます勢いを増していく。
さらにラストも阪神Cをグレナディアガーズ、有馬記念をエフフォーリア……。あらためて強い世代だったことが分かるだろう。
今年の3歳馬は現5歳のように、夏の短距離重賞で頭角を現すことはなかった。だが、好走してきた距離をみると、中距離特化型であることが示されている。
勝った馬は4頭。クイーンS=ドゥーラ、新潟記念=ノッキングポイント、毎日王冠=エルトンバローズ、みやこS=セラフィックコールと、すべて千八から二千メートル。また、②着は1頭のみだが、これが札幌記念のトップナイフで、やはり二千メートルだ。
ちなみに、マイル以下は〈0 0 0 18〉、千八~二千は〈4106〉。二千二百メートル以上では〈0 0 0 1〉だが、これは宝塚記念⑩着のドゥラエレーデなので、ノーカウントでいいだろう。
エリザベス女王杯の二千二百メートルは長距離というよりは、中距離のカテゴリー。ブレイディヴェーグ、ハーパーは人気サイドだが、シンリョクカなら大穴だ。
もちろん、女王杯だけでなく、この先の重賞でも「中距離特化型世代」というのは覚えておいて損はない。