【天皇賞・秋】イクイノックス恐るべし

公開日:2023年10月30日 14:00 更新日:2023年10月30日 14:00

超ハイペースを好位追走でレコードで押し切り

 競馬ファンの想像を上回る強さだったのではなかろうか。天皇賞を制したのはイクイノックス。二千メートル1分55秒2のスーパーレコードでGⅠ5連勝を飾った。

 戦前はドウデュースとの2強という声もあったが、単勝オッズは断然の1・3倍。その支持にふさわしい、いや、それ以上の走りで現役最強馬の力を誇示した。

 レースはジャックドールがハナを切って、前半3~5F34秒9―46秒3―57秒7のハイペース。2F目以降はオール11秒台という、厳しい流れになった。

 これを道中は3番手で追走する横綱相撲。直後ではライバルのドウデュースがマークしていたものの、“来るなら来い”という強気の構え。直線は馬なりのままラスト2F過ぎで前2頭をとらえると、一気に突き放して早々に勝負あり。独走のラスト1Fも11秒7でまとめたから、後続はお手上げだった。

「あの時計を見て驚きました。恐ろしい。下見所で見て馬がさらに良くなっていると感じました。これ以上があるのかと。凄いペースでしたね。前半57秒7で行って、後半は57秒5でしょう。ありえないですよ。常識から外れています」

 数々の名馬を送り出してきたノーザンファームの吉田勝己代表をして、そう言わしめた規格外の勝ちっぷり。サラブレッドの進化の瞬間を見た感じさえある。

 さて、この後はジャパンCへ参戦する予定。怪物牝馬リバティアイランドとの初対決とともに、勝てば①着賞金5億円に加えて200万ドル(約3億円)の褒賞金もかかるビッグマッチだ。

 レコードVから中3週となると、決して楽とはいえないローテーションではある。しかし、想像を上回る成長力で完成期を迎えたイクイノックスにとっては杞憂ではないか。そう思わされるほどの圧倒的なパフォーマンスだった。

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