【凱旋門賞】イクイノックスを物差しにすれば今年はスルーセブンシーズでも十分に足りる!?
公開日:2023年9月28日 14:00 更新日:2023年9月28日 14:00
いよいよ今週末に迫った凱旋門賞。昨年はタイトルホルダー、ドウデュース、ディープボンド、ステイフーリッシュの4頭が挑戦したが、直前の大雨でぬかるんだ馬場に苦しみ、タイトルホルダーの⑪着が最良着順という結果に終わっている。
今年、日本から挑むのは牝馬スルーセブンシーズのみ。果たして、勝算はあるのか。
日本の牝馬が凱旋門賞に出走するのはこれで4頭目だ。
14年ハープスターが⑥着、20年ディアドラが⑧着、21年クロノジェネシスが⑦着。好勝負を演じたというところまではいっていないが、大崩れもしていない。
実績に関してはオルフェーヴルやキズナの帯同馬を除き、スルーセブンシーズはこれまで凱旋門賞に出走した日本馬では最も下。重賞勝ち鞍は中山牝馬Sのみだから、GⅢウイナーにとどまる。
それでも注目されるのは前走の宝塚記念。イクイノックスの②着があるからだ。しかも、着差はわずか首。同タイムで走っている。
イクイノックスはドバイシーマクラシック勝ちが高く評価され、現在のレーティングは129。9月10日に発表された最新の「ロンジンワールドベストレースホースランキング」でも世界一をキープしている。
海外でスルーセブンシーズは「あのイクイノックスと好勝負できた馬」という評価なのだろう。
実際、ドバイシーマクラシックでイクイノックスが後続につけた着差は3馬身半。そこから2馬身4分の1、1馬身4分の1、1馬身で、⑤着が日本ダービー馬シャフリヤールなのだ。
では、②③④着馬はというと、②着ウエストオーバーはGⅠばかりを3戦して②①②着。7月にサンクルー大賞を制している。
③着ザグレイはそのサンクルー大賞で②着し、次走はドイツでGⅠバーデン大賞勝ち。④着モスターダフは休養後、プリンスオブウェールズS、英インターナショナルSとGⅠを連勝。「イクイノックスはこんな強い馬たちに勝ったのだから……」という方程式が成り立っているわけ。
この中でウエストオーバーは凱旋門賞にも駒を進めてくる。現在、ブックメーカーは7倍程度の3番人気に支持しているほどの強豪だ。
期待できる父系の血
また、スルーセブンシーズは父がドリームジャーニーというのがいい。弟オルフェーヴルの産駒からはウシュバテソーロ、マルシュロレーヌが海外でダートのGⅠを制しているし、オーソリティ、シルヴァーソニックは芝の重賞勝ち。自身は凱旋門賞②着2回があるし、その父ステイゴールドは海外で2戦2勝だ。この血統は世界の大舞台でこそ輝くと言っても過言ではない。
これまで多くのGⅠ馬が挑戦して勝てなかった大きな壁。壊すのは実績では劣るこの牝馬なのか……。非常に興味深い挑戦といえよう。