勝羽太郎 情報ノート

【勝羽の日曜競馬コラム・ローズS】

公開日:2023年9月16日 17:00 更新日:2023年9月17日 10:21

 秋トライアルは、やはり面白い。トレセンで各馬の成長度合いを確認する作業がまず楽しい。幸い、ブレイディヴェーグにラファドゥラが栗東入りしているため、ローズSはリサリサを除けば、オール栗東。自転車を走らせ、運動時の馬体チェックにいそしんだ。

 今年の3歳牝馬はハイレベル。それでも、リバティアイランドは頭ふたつは抜けている。12日火曜に帰厩。早速、運動中の同馬を見たが、馬体がマジでやばい。オークス時も男勝りの凄みを感じさせたが、独特の柔軟さを保ったまま、後肢の筋肉量が一段と増えた。春より強烈な脚を使えるイメージだ。帰厩直後で古馬の男馬たちに勝てると思える域。ちょっと空恐ろしい。

【阪神11R・ローズS】 栗東滞在中の関東馬ブレイディヴェーグに相当なバネ感を感じたが、ここは◎マスクトディーヴァから。

 まず、シンプルなワンターンで行う舞台設定が合う。4角から外に膨れたのが内回りの二千で走った2走前の忘れな草賞(⑦着)であったが、次戦で千八外回りに替えてあっさりと外から突き抜けた。デビュー戦も中京を直線勝負で勝っているから、現状、タイトでないコーナーの方がいいのは明らか。2馬身半と抜け、まだお釣りがあったから合う舞台だ。

 もうひとつが週末の天気。競馬日和の晴れマークが続く。デビュー戦に前走と勝った2戦は重に稍重。父ルーラーシップ譲りで体に緩さを残す状況での道悪は基本、グリップが利かずにマイナスに作用する。そこを強く勝っているから、良馬場ならよりポテンシャルを発揮できるはずなのだ。

「春よりも随分とカイバを食べるようになりました。徐々にですが、馬は成長しています」は担当の黒川助手で、実際に、5月12日とフォーチュンコードに次ぐメンバー2番目の遅生まれ。その分の伸びシロは大きく、牝馬らしい線の細さ、腰回りの可憐さは夏を越して解消してきた。春より切れていい。

 対抗ブレイディヴェーグにも触れておく。ルメールが「秋華賞でもチャンスがあるかも」と話すほどの好素材。出負けをリカバーしやすいのは、本番の京都二千よりもこことみて、マスクとのマルチ馬券でいく。

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9月17日(日)阪神競馬場

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勝羽太郎

勝羽太郎

 1974年、愛知県で生を受ける。名前の通りのザ・長男。
 大阪での学生時代、暇な週末は競馬場に通い、アルバイトをきっかけに日刊ゲンダイへ。栗東トレセンデビューは忘れもしない99年3月24日。毎日杯の週で、初めて取材した馬は連勝中だったテイエムオペラオー。以降、同馬に魅せられ、1勝の難しさ、負けに不思議の負けなしと、学ばせてもらったことは実に多い。
 グリーンチャンネルでパドック解説をさせていただいているが、パドック党であり、大の馬体好き。返し馬をワンセットで見たい派。現場、TV観戦でもパドックが見られなかったレースの馬券は買わないと決めている。
 余談だが、HTB「水曜どうでしょう」の大ファン。こんこんと湧き出る清水のように名言を連発する大泉洋氏を尊敬してやまない。もちろん、“藩士”ゆえにDVD全30巻を所持。

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