上半期を終えて分かった ますます広がったジョッキーの東西格差
公開日:2023年6月29日 14:00 更新日:2023年6月29日 14:00
GⅠは勝ち越しているが…
JRAは先週をもって23年の上半期の開催が終了。発表されたここまでの売り上げは1兆6445億3349万3200円で、前年比は99・6%だった。関係者の中には「(巣ごもりによる)コロナバブルが終わって、今年は売り上げが心配」という声があったが、宝塚記念がイクイノックスを筆頭に豪華メンバーが揃い、前年比122・9%の273億6318万4100円を売り上げ、きっちりと帳尻が合った格好だ。
そこで今回は今年半年間の成績を昨年と比較してみよう。
ジョッキーでは宝塚記念を制したルメールが77勝。川田が73勝で、ついに首位が入れ替わった。
ちなみに、昨年は同じく宝塚記念終了時点で、川田が77勝、ルメールは63勝。昨年はサウジアラビア、ドバイと海外遠征ごとに隔離期間があり、2月最終週から4月1週目の間、ルメールが日本で乗れたのは1週だけ。なかなか勝ち鞍を増やすことができなかった。
今年はここまで重賞9勝、GⅠ2勝と好調。再び、川田からリーディングを奪還するか。
調教師は中内田が28勝でトップ、杉山晴が27勝、矢作が26勝で続く。
昨年の同時期は池江が33勝でトップを独走。矢作、中内田が24勝だった。だが、最終的にはトップは矢作。下半期に35勝の猛チャージだった。今年もここから要注意か。
種牡馬ではロードカナロア87勝、キズナ65勝、ドゥラメンテ61勝。昨年もロードカナロアがトップだったが、すでに102勝していた。2位はディープインパクトで92勝、3位はドゥラメンテ71勝である。
絶対的だったディープの現役産駒数が減少し、ロードカナロアもやや伸び悩み。ここにも今が種牡馬戦国時代にあることが示されている。
東西別では平地GⅠはここまで東が7勝、西が5勝だが、重賞では東の28勝に対し、西は38勝。トータルでも東727勝で、西は1003勝と大きく負け越している。
ただ、昨年の6月終了時、東の勝ち鞍は701で、一昨年は711。わずかながら勝ち鞍は増やしている。
現在、美浦は坂路の改修工事中。栗東と同じような傾斜になることで、来年あたりはもっと東西格差を詰められるか。
それより少ないのが東のジョッキーの勝ち鞍。今年は618勝で、一昨年が678、昨年が654勝だったことから、かなり減少しているといえる。一方、西のジョッキーはすでに1037勝だ。
今や東だ西だという時代ではないかもしれないが、馬の東西格差以上に深刻なジョッキー格差。後半に関東からの大きな躍進はあるだろうか。