牝馬2冠へ──。リバティアイランドと挑む川田の心境、そして、オークス観戦に来場するファンへ「2秒」のお願いとは。

公開日:2023年5月17日 14:00 更新日:2023年5月17日 18:33

10秒8は「本当にストレッチする程度に走ったら、こういう時計が出た」(川田)

 11頭目の牝馬クラシック2冠牝馬なるか──。

 別掲の追い切り速報のようにCウッドでラスト10秒8を出した桜の女王リバティアイランド。鞍上の川田はどう感じ、樫の舞台へどのように挑むのか。3冠牝馬の期待も高まる一頭と挑む2冠目の心中を聞いた。
   
──1F10秒8。最終追い切りの感触は。

「しまいをストレッチするように体を伸ばしてくるという追い切りで、とても雰囲気よく終われたと思います。先週、軽めに追い切りを終え、今週は最後に気持ちよく体を使えるようにというところで先週よりセーブして。時計ほど無理している感じはなく、とてもリズムよく、本当にストレッチする程度に走ったら、こういう時計が出ていたというところです」

──桜花賞からオークス間での成長は

「中間、少しスイッチは入り過ぎてしまっている様子もあったとは聞いていますが、随分と落ち着きを取り戻し、先週を穏やかに追い切れています。本日も前に馬を置いての形でその分、やる気にはなっていましたが、よく我慢が利いていました。精神状態はいい雰囲気でこれています。順調にここまで歩みを進められています」

桜花賞の上がり32秒9は「想定どおり。桜花賞はオークスにつながってくる」

──あらためて、4角16番手から差し切った桜花賞のレース内容を振り返って下さい。

川田騎手 「ゲートの動き出し自体は皆と同じように動き出したのですが、その後、彼女自身に進む気がなく。ゆったりと走ることも教えてきていましたので、上手にゆったりと走ったことがあの位置からに。競馬の形とすれば、仕方ないところもありました。直線は彼女の動きをつくっていくだけで、とてもいい動きができ、無事に結果を得ることができたレース」

──上がりは32秒9。あの脚は騎手自身の想定内か、想定外であったのか。

川田騎手 「想定どおりですね。彼女自身の動きができたということ。結果としてあの形の競馬になりましたが、桜花賞に向かう間でも、その先には二千四百㍍の戦いが待っていました。そこに向けてつくっている中で、オークスにはいい競馬になったと思う。桜花賞はオークスにつながってくると思っています」

──距離は二千四百㍍と延びます。

川田騎手 「距離に関してはやってみないと分からないところ。それを走れるように厩舎スタッフがいい形でつくってきてくれる。(折り合い面には)元から不安があった馬。新馬の時から調教段階から、返し馬、レースもなかなか大変だったので、それを少しずつ学んでもらい、ここまで歩みを進めてもらい、落ち着いて走れるようになったというところ。一戦ごとに彼女に学んでもらってきた。いい状態で、いい雰囲気でこれているということが、それを現していると思います」

──すでに3冠牝馬の期待が高まる声も出ていますが。

川田騎手 「その楽しみを皆さんが持っていただける馬だと思います。ただ、我々としては目の前の一戦を大事に歩んでいくというだけ。まずはオークスに向け、準備してきているので無事に彼女と走り切るということ」

「陸上競技のスタートと同じようにスタートが切られるまで、2秒ほど声援を我慢したいただければ」

──ファンへのメッセージを。

川田騎手 「新型コロナが5類に変わり、日常を取り戻していく中でたくさんのお客さんの歓声や拍手でつくって下さる雰囲気というものは素晴らしいものであるとあらためて感じています。ひとつ、競馬場に来場されるお客さんにお願いがあります。ファンファーレが鳴り、皆様が盛り上がる。ゲート入りして最後の馬が入る時にもう一度、盛り上がるような形に今はなっていますが、以前であれば、ゲートを開くまで我慢して頂いていたところもあります。

(オークスは)3歳牝馬の繊細な女の子たちが皆様の目の前でゲート入りしてスタートするので、陸上競技のスタートと同じようにゲートが切られるまで、あと少し、2秒ほど声援を我慢していただき、ゲートが開いてから全力で盛り上がっていただければ、と願っています。そこの協力をしていただけると、とても助かるなという思いです。

 その上で(リバティアイランドと)しっかりと準備をし、ここまで歩みを進められているので、皆様が期待する結果を得られるように彼女とともに精いっぱいの走りができれば、と思っています」

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