【共同通信杯】ファントムシーフ2番手から抜け出しも、いまだにクラシック路線は混沌

公開日:2023年2月13日 14:00 更新日:2023年2月13日 14:00

 俄然、牡馬クラシック路線の混沌ぶりに拍車がかかってきた。

 日曜東京で行われたGⅢ共同通信杯を勝ったのは3番人気ファントムシーフ。この馬の持ち味である機動力、自在性を存分に発揮した勝利といえる。

 2F通過地点からジワッとハナを奪ったが、その直後に掛かり気味に②着馬タッチウッドがかわす。それでも、動じずに落ち着いた走りを保ち、前半5F60秒5のゆったりとした流れを2番手から。

 緩急のあったペースにも対応し、直線は楽な手応えのままで、前にいる②着馬をゴール残り50メートルくらいでかわして重賞初制覇を飾った。

 先頭に立ってから手前を替えて、遊んだようにまだまだ余力は十分あっただけに、次につながる走りだったといえる。

牡馬重賞は少頭数か〝行った行った〟のどちらか

 とはいえ、幾多のクラシック馬、GⅠ馬を出してきた“出世レース”である共同通信杯を制したとはいえ、まだ主役を張るには物足りない。

 今年の3歳牡馬クラシック路線は抜けた馬が不在。唯一、重賞を2勝しているGⅠ馬ドルチェモアは朝日杯FSと同距離のNHKマイルCを目指すことを表明しており、核になる存在がまだ見えてこない。

 この世代の牡馬戦線は少頭数や逃げ、先行馬が勝つ“行った行った”のレースが多く、近年まれに見る混戦模様といえる。

 皐月賞にはドゥラエレーデ、ガストリック、ソールオリエンス、フリームファクシらの重賞勝ち馬が向かうだろうが、どれも主役とまでは言い難い。

 再来週からのGⅡ弥生賞ディープインパクト記念を皮切りに皐月賞トライアルが始まる。新たに重賞勝ち馬が増えれば、おのずと出走賞金順のボーダーラインも上がってくる。

 8週後に迎える第1冠は現在のところ、どの馬にもチャンスあり。もちろん、まだ重賞勝ちのない馬も……。各馬の動向はもちろん、馬券的妙味のある春となりそうだ。

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