【シルクロードS】ここも通過点となるか 4連勝中の新星マッドクール

公開日:2023年1月26日 14:00 更新日:2023年1月26日 14:00

 先週の東海Sはプロミストウォリアが4連勝で重賞制覇。群雄割拠のダート界に、新たなスター候補が誕生した。

 そのダート界と同様に混沌としているのが、今のスプリント路線である。

 存在感を示しているのが、春秋スプリントGⅠで①③着のナランフレグだろう。ただ、明けて7歳を迎えただけに、今後の成長は期待できないか。スプリンターズSを勝ったジャンダルムはすでにターフを去っており、21年スプリンターズSの覇者ピクシーナイトは休養中。そう、スプリント王の座は空位というわけだ。

 そんな短距離路線に、新星誕生の予感が漂っている。それがマッドクール。強い4歳世代からまた1頭、大物が出てきた。

「未勝利を勝った時点で、上に行ける馬だと思った」(池添学師)。

 この言葉通り、昨年5月の未勝利Vから破竹の勢いで4連勝。瞬く間に重賞の舞台へと駆け上がってきた。特に前走の中身が濃い。

 陣営はハイペースになるだろうと読み、あえてジョッキーに中団で控える競馬をオーダー。初めて経験する馬群に囲まれる形でも、気負いすることなく楽に追走。直線では鞍上のゴーサインにスッと反応すると、躊躇なく狭いスペースに突っ込んだ。ラスト300㍍付近で単独先頭に立つと、あとは突き放す一方。ゴール前は流して1馬身半差だから、完勝と言っていい。レースの上がり3Fが33秒8の瞬発力勝負。先行押し切りを身上としながらも、差し切りを決めたあたりは能力の高さと言さに他ならない。

「直線で囲まれたときには〝もうダメかな〟と。そこからいい伸びを見せてくれましたね。強い競馬でしたし、中身の濃い内容だったと思います」

 その後は放牧に出されてリフレッシュ。1月6日に帰厩し、ここを目標に順調に追い切りを重ねてきた。13日にCウッドで6F83秒1─37秒9、1F11秒8をマークすると、1週前には藤岡康を背に坂路4F52秒8─11秒8を馬なりと動きは軽快。これで仕上がったため、直前は坂路で調整程度。それでも楽に4F53秒8が出るのだから、体調はすこぶる良好だ。

「前走後も予定通り、順調に来れました。最終追い切りは余裕のある動きだったし、時計も上々」と合格点ジャッジ。続けて、「今のままだと、(高松宮記念の出走は)賞金が足りない。ここを勝てれば、間隔的にも理想的ですからね。4連勝の流れを止めないようにしたいです」と、陣営はすでにGⅠを見据えている。そう、ここはあくまで通過点ということ。目指すはスプリント王。5連勝でGⅠ参戦の期待大だ。

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