亀井記者の血統ロックオン

中京記念はシルバーステート産駒の殻を破ったラヴァンダがレコードV

公開日:2026年8月18日 07:00 更新日:2026年8月18日 07:00

 先週は日曜に行われた2重賞がともにレコード決着となった。

 まず中京で行われた中京記念はラヴァンダが差し切り。勝ち時計は1分31秒1と従来のレコードを0秒2更新するものだった。これで昨秋のアイルランドT以来となる重賞2勝目となった。

 正直、今回のレコード勝ちには驚いている。父シルバーステートはディープインパクトの直子だが、産駒は機動力を生かした小回り向き。直線の長い舞台の瞬発力勝負では甘さを見せることが多い。実際、ラヴァンダも昨年の府中牝馬Sまではそんな印象が強かった。

 それが昨秋に阪神外回りマイルの仲秋Sを勝つと、東京のアイルランドTも連勝で重賞初制覇。今年は牡馬相手の東京新聞杯でも0秒1差の②着と好走した。そして、今回が中京でのレコード勝ちだ。マイル中心に使うことで、瞬発力に磨きがかかってきた印象だ。ロベルトの4×5の成長力がそうさせたのか、シルバーステート産駒の殻を破った印象すら受ける。時計勝負の大箱コースで勝ち切ったことは価値が高い。

ロベルト系の好走傾向は今年も継続

 ロベルトと言えば、中京記念は同系の血を持つ馬が走るレースでもある。23年はエピファネイア産駒のセルバーグが①着で、②着がモーリス産駒のディヴィーナ。24年は①着がモーリス産駒のアルナシームで、②着がエピファネイア産駒のエピファニー。昨年は①着テーオーシリウス、③着ジューンオレンジの母の父がシンボリクリスエスだった。

 今年は母の父ロベルト系の馬はおらず、父ロベルト系はエピファネイア産駒のミニトランザットとモーリス産駒のカズミクラーシュの2頭だけ。その2頭が②④着と好走したから、この傾向は今年も継続した。

 もともと、エピファネイア産駒は直線の長いマイル戦を得意としており、ミニトランザットは今回メンバー最速の上がり3F33秒1で勝ち馬と0秒1差。カズミクラーシュの父モーリスも芝413勝のうち、最多の75勝を東京で挙げており、直線の長いコースに向くタイプなのだ。中京記念におけるロベルト系は、来年以降も有効な馬券作戦になりそうだ。

 1番人気のサトノシャイニングは③着。キズナ産駒で、母はアルゼンチンの芝マイルGⅠ馬。父の持つストームキャットに、母系はデピュティミニスターも内包しており、スピード勝負にも対応できる配合。初のマイル戦でレコード決着でも大崩れなく走れたのは収穫だ。10カ月半ぶりだったことを考えれば、次につながる内容だったといえる。

札幌記念Vシェイクユアハートはトニービン内包馬で秋の天皇賞でも楽しみ

 札幌記念はシェイクユアハートが差し切って1分58秒2のレコード勝ち。前半3F通過34秒2は過去10年でも最も速いペースだ。このレースでは流れた上に、道中で人気のアドマイヤテラがまくり気味に上がっていったこともあり、前に行った馬にはやや厳しい流れとなった。

 シェイクユアハートは流れにも惑わされず、いつも通りに後方5番手を追走。勝負どころも外を回る形になったが、レースの上がり35秒1に対して1頭だけ34秒台の34秒6を繰り出し、②着に2馬身半差をつけたから完勝だった。

 札幌はコーナーが緩く、ローカルコースでも差しが利きやすい。シェイクユアハートはハーツクライ産駒でエンジンのかかりが遅いものの、一度加速すると長くいい脚を使えるタイプだ。今回の流れも味方したのだろう。加えて、成長力のある血統でもあり、6歳にしていよいよ本格化してきたということだろう。

 ここまで31戦のうち21戦を二千㍍芝で使ってきた。もちろん、秋の最大目標は天皇賞・秋になるだろうが、ここでも楽しみはある。というのも、父ハーツクライがトニービン内包馬だからだ。言わずと知れた東京巧者の血で、昨年はマスカレードボール-ミュージアムマイルとトニービン内包馬でのワン・ツー。天皇賞・秋はトニービン内包馬が5年連続で勝利している。こちらも秋へ向けて収穫大の1勝になった。

 ②着サクラファレルは母サクラレーヌの半兄に重賞3勝のサクラプレジデントがいる血筋。サクラプレジデントは03年の札幌記念勝ち馬でもある。ちなみに母のきょうだいは札幌芝で〈52210〉と好成績で、サクラファレルも昨年の同舞台で2勝クラスを勝ち上がり。札幌巧者の血が、今年もこの舞台で発揮された。

 10番人気のレディネスが③着。父スワーヴリチャードはハーツクライ直子だ。同馬も東京のプリンシパルSを勝っているように、トニービン内包型らしく、長くいい脚を使うタイプ。前走の巴賞は差しの決まりにくい函館で馬体重も22㌔減だったが、今回はプラス16㌔と立て直しての札幌で走りが一変した。3走前の東京・白富士Sでも0秒5差③着と好走しており、こちらも秋の東京開催で覚えておきたい1頭だろう。

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亀井辰之介

 競馬好きの父親の影響もあり、子供のころから競馬中継を一緒に観戦。最初は父親が馬券を当てるともらえる臨時の小遣いが目当てだったが(ただし、父は穴党だったため、あまり的中した記憶はない……)、ある日、シンボリルドルフといういかにも強そうな名前の馬が、強く勝つ姿に魅入られたのが競馬ファンになったはじまり。
 その後はテレビゲームの競馬ソフトにどっぷりハマり、今までに遊んできた競馬ゲームは数知れず。その時に競走馬の配合の奥深さを知り、血統に興味を持ったのが今の予想スタイルの根幹か。現在でもたまにゲームをたしなみ、好きだった競走馬の産駒を活躍させることが小さな喜び。
 予想スタイルはもちろん“血統”。各馬の血統を分析。得手、不得手を見極め得意条件に出走する時に狙い撃ち! 好配当を目指します。

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