亀井記者の血統ロックオン

米国型ピューロマジックが24年ぶりにレコード更新

公開日:2026年8月4日 07:00 更新日:2026年8月4日 07:00

香港スプリントで見たい快速ぶり

 日曜に新潟で行われたアイビスサマーダッシュはピューロマジックが連覇を達成。カルストンライオのレコードを24年ぶりに更新する53秒5で逃げ切った。

 まさにスピードの違いを見せつけた一戦だった。6番枠からでもハナを奪い外ラチ沿いに進路を取ると、最後まで後続を寄せ付けることなく②着に3馬身差をつけたから完勝だ。

 血統的には父がアジアエクスプレスとストームキャット系、祖母の父がフレンチデピュティとデピュティミニスター系で、ストームキャットの4×5とデピュティミニスターの5×4のクロスがある米国スピード色の強い配合だ。全兄のメディーヴァルも新潟千直の韋駄天Sの勝ち馬で、同舞台への高い適性を伝える血筋でもある。

 これで函館スプリントSから重賞連勝になったが、今後は坂のあるコースへの対応がカギになる。6F戦では5勝しているが京都2勝、札幌、新潟、小倉で1勝ずつと小回りの平坦コースに良績が集中している。日本での6FGⅠとなると中山のスプリンターズSと中京の高松宮記念だけだ。ともに直線には急坂がある。それなら香港スプリントはどうか。シャティン競馬場は平坦コースで洋芝。日本で言えば北海道に近い馬場だ。函館、札幌で〈2010〉のピューロにはマッチするイメージがある。個人的には香港の絶対王者カーインライジングとのスピード対決が実現すれば、非常に楽しみなのだが。

 ②③着はロードトレイルとカウスリップと、春の駿風Sで②③着だったロードカナロア産駒2頭がそのまま食い込んだ。レースは3、2番手から粘り込み。結果的に前に行った組での決着になったが、ピューロがつくったペースで後続はなし崩しに脚を使わされ、伸び切れなかったのだろう。その分、ロードカナロア産駒らしいダッシュ力とスピードの持続力が生きた結果だった。

 ◎に推したビッグシーザーは④着。サクラバクシンオーの血と米国スピード血統を併せ持つ配合で推したのだが、上位とはテンのスピードでやや見劣ったか。それでも近走と比べて前での競馬はできたし、ラストも脚色は鈍らなかった。舞台初挑戦で適性を示した内容だけに、今後も千直なら狙ってみたい。

昨年②着ココナッツブラウン重賞初制覇も気になる馬体重

 札幌で行われたクイーンSもリピーターが活躍。勝ったのは昨年②着のココナッツブラウンで、②着が一昨年の勝ち馬コガネノソラだ。

 ココナッツブラウンはキタサンブラック産駒の瞬発力型。3代母はフランスでGⅢ2勝のフィディラと欧州母系で、ここが洋芝適性に繋がっているのだろう。くわえて、馬体の変動の大きいタイプで滞在競馬がいいという面もある。ここまで函館、札幌では〈3300〉だから馬場適性の高さは言うまでもない。

 ただ、今回気になったのは馬体重の458㌔(前走比マイナス4㌔)。昨年の②着時は470㌔だったことを思えば、今年はやや物足りなさを感じる。次戦で増えてくればいいのだが、これ以上減るようだと心配はある。

 コガネノソラは父が洋芝巧者を多く出すゴールドシップ。母の半妹ウインマリリンは札幌記念③着で香港ヴァーズの勝ち馬だから母系も洋芝適性がある。2走前に福島牝馬Sを制したように、ローカルの持続力勝負に強いタイプだ。ゴールドシップ産駒は非根幹距離や力のいる馬場で浮上しやすく、今後も洋芝の小回り戦では上位候補に入れておきたい。

 ③着ヴーレヴーは前走が函館の巴賞で3馬身半差の圧勝。父サトノクラウンが欧州血統だ。サトノ自身は函館、札幌での出走はなかったが、香港ヴァーズを制しており洋芝適性は高かったのだろう。母の半弟にはシルバーステートがおり、同馬の産駒には小回り向きのタイプが多い。結果的に洋芝実績のある馬が上位を占める結果となった。

2歳戦8勝で並ぶエフフォーリアとシスキン 血統から見えた狙いどころ

 2歳戦も振り返る。先週も目立ったのはシスキンとエフフォーリアの産駒の活躍だ。シスキン産駒は5頭が出走して2勝②着3回。エフフォーリア産駒は3頭が出走で1勝②着1回③着1回とともに一度も馬券圏を外さなかった。

 これで今年の2歳戦通算でみても、エフフォーリア産駒とシスキン産駒ともに最多の8勝を挙げている。ただし、率で言えばエフフォーリア産駒が〈86610〉で勝率・267、連対率・467、③着内率・667に対して、シスキン産駒が〈8425〉が勝率・421、連対率・632、③着内率・737とやや上回っている。一昨年の初年度は血統登録7頭という少ない頭数のなかでも4頭が勝ち上がりという高い勝ち上がり率を誇っただけはある。

 ちなみに、この2頭の産駒の8勝はともに芝なのだが、エフフォーリア産駒が千二1勝、千六1勝、千八5勝、二千1勝なのに対して、シスキン産駒は千二5勝、千五1勝、千八2勝。短距離はシスキン、中距離はエフフォーリアと得意距離がはっきり分かれている。

 面白いのが母の父との相性だ。エフフォーリアは母の父サンデーサイレンス系が走ることは以前に書いたが、シスキンも母の父サンデーサイレンス系が6勝でトップ。特にエフフォーリア産駒は母の父ディープインパクトと〈3110〉の好相性だから、この配合は積極的に買っていい。

 一方、シスキンと母の父ディープインパクトの配合は〈1002〉に留まっている。産駒通算でもみても同配合は〈25628〉で勝率・071。8頭が出走して勝ち上がったのは2頭だけ。勝ち上がり率の高いシスキン産駒として苦戦している印象だ。ちなみに、相性がいいのが母の父ダイワメジャーで5勝。5頭中4頭が勝ち上がっている。同じサンデー系でも、瞬発力型よりも持続力型との配合の方が力を発揮しやすい傾向がありそうだ。






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亀井辰之介

 競馬好きの父親の影響もあり、子供のころから競馬中継を一緒に観戦。最初は父親が馬券を当てるともらえる臨時の小遣いが目当てだったが(ただし、父は穴党だったため、あまり的中した記憶はない……)、ある日、シンボリルドルフといういかにも強そうな名前の馬が、強く勝つ姿に魅入られたのが競馬ファンになったはじまり。
 その後はテレビゲームの競馬ソフトにどっぷりハマり、今までに遊んできた競馬ゲームは数知れず。その時に競走馬の配合の奥深さを知り、血統に興味を持ったのが今の予想スタイルの根幹か。現在でもたまにゲームをたしなみ、好きだった競走馬の産駒を活躍させることが小さな喜び。
 予想スタイルはもちろん“血統”。各馬の血統を分析。得手、不得手を見極め得意条件に出走する時に狙い撃ち! 好配当を目指します。

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