【中京競馬】先週は気温40・1度の酷暑日競馬に。暑熱対策とそれを超す過酷な暑さ

公開日:2026年7月29日 12:00 更新日:2026年7月29日 12:00

レース前に「熱中症かどうかは分かりづらい」

 先週の中京競馬がアツかった。白熱したレース以上に気温が上がった。特に、初日の土曜日は40・1度をマークしている。

 今年4月、気象庁は酷暑日を正式に気象予報用語として追加した。先週土曜の中京はそれ以降での、〝酷暑日競馬〟の第一号ともなった。もちろん、暑熱対策期でもあり、正午前に行われる5Rから約3時間の休止時間を挟む、「競走時間帯の拡大」で競馬が行われている。暑熱対策として装鞍所集合はレース40分前(前小倉開催同様)で、パドック周回はより短くなった。全頭の入場で騎乗合図がかかり、誘導馬に先導され、1周して馬場入場へと向かう先頭の馬2周、最後方は1周という短縮パターンで行われている。

 担当馬を使った厩舎スタッフからは「とにかく暑かった」が第一声であったが、同時に「パドックが短い分には歓迎。人馬ともに楽だった」という声は多かった。また、「暑熱対策に反対するわけではないけど、中京は装鞍所からパドックまで距離がある。最初の1周のみでは馬が落ち着かない。騎手を乗せる際の怖さはあった」という意見も聞いた。

 翌日曜は前日ほどではなかったにせよ、猛暑日での競馬となった。メインのGⅡ東海Sでは、⑩着にやぶれたダノンフィーゴの川田から「明らかに熱中症です」とコメントが発せられ、また、⑭着のドラゴンテイラーは坂井も「暑さの影響ですね。全く進んで行かなかったです」と敗因が猛暑に寄るものであると語られた。

 SNS上で論議を呼んだが、ある騎手に聞くと「返し馬で〝元気がないかな〟と感じる馬は確かにいる。ただ、そう感じてもレースに行って走る馬も多い。体の使い方、歩様に異変を感じるほどではない。感じれば取消を申告します」と返ってきた。真夏のこの時期は、返し馬ひとつも真夏は軽いキャンターだ。スピードに乗せることも少ない。

 ある調教師は「馬はレース前で気持ちも乗っているから熱中症かどうかは分かりづらい。各厩舎、電解質を取らせて暑熱対策、暑熱順化を考え、万全を期しており、全力でレースを行った時に力を出せなかった。結果が〝熱中症〟。極限を上回る暑さでもあるということ」と話す。

 実際に、前記したように暑熱対策として、装鞍所集合を遅らせ、パドック周回も短縮した。競馬場の厩舎馬房にはクーラーも完備し、中京は数年前から随分と冷えるようにもなったとも聞く。装鞍所にはシェードを付けて日陰となる部分を随分と増やし、ミスト送風はいまやマストだ。JRAとしても年々、対応策は考えているのだ。

小倉、中京で<5314>の佐藤悠厩舎は水冷ベースの調教ルーティン

 そこで、今夏の小倉、中京で<5314>と結果を出し、夏の小倉リーディンクとなった佐藤悠太師に、厩舎でどんな暑熱対策をしているか教えてもらった。

「レース前はとにかく冷やします。厩舎の洗い場で水冷させ、装鞍所でも鞍以外の部分を水冷。JRAさんの方でも競馬場で一度、氷を通した冷やした水を使用してくれているので助かります。この水冷は、普段の厩舎のルーティンとしても行っていて、調教前に体だけでなく、顔やたてがみ、尾も濡らして、冷やしてから運動に出発します。もちろん、調教後もすぐに水冷。この調教ルーティンにして、各馬の汗のかき方が変わってきました。ひとつ、効果があるのかなと思います」

 ただし、まだ7月。ここからが夏本番だ。酷暑とのいたちごっこはまだ続く。

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