亀井記者の血統ロックオン

極端な馬場が適性の差を浮き彫りに

公開日:2026年7月28日 07:00 更新日:2026年7月28日 07:00

東海Sは米国型+ロベルト系がパサパサ馬場で存在感

 先週から暑熱対策で中京、新潟は3時間超の昼休みが設けられた。新潟はまさかの雨でそこまで気温は上がらなかったが、中京は酷暑の中での開催に。ダートはパサパサで4角先頭だった馬が10戦で<2314>。先行勢が粘り込むレースが目立った。やはりこうした競馬では米国のスピード血統の強さが際立つ。

 日曜メインのGⅢ東海Sも勝ったマテンロウコマンドは2番手から抜け出し。逃げた6番人気のメイショウハチローが②着に粘り込みと前々での決着となった。

 マテンロウコマンドは父がストームキャット系のドレフォン。同系は先週の中京ダートで最多の3勝をマークした。特に4角2番手以内だった馬は①③②⑪②①③着と馬券圏を外した馬は1頭だけ。好走が目立っていた。来週以降もパサパサ馬場が続くようなら、ストームキャット系の先行馬は引き続き狙ってみたい。

 マテンロウコマンドに話を戻そう。血統を見ると母ダイアナヘイローは芝短距離で重賞3勝。ただし、キングヘイロー×グラスワンダーの配合だけに母系はパワー寄りのイメージが濃い。マテンロウコマンドも兵庫チャンピオンシップ、黒船賞と地方重賞で2勝を挙げている。一方、中央では武蔵野S⑩着、根岸S⑪着とともに2ケタ着順。軽い東京のダートでは持ち味を発揮できなかった。それだけに、今回のようなパサパサで力のいる馬場は歓迎だったのだろう。実際、レース後に松山も「どうしても中央の馬場ではしんどいところもあった」とコメントしており、引き続き東京のような軽いダートへの対応が課題となりそうだ。

 加えて注目したいのが、母は6月~8月と暑い時期に4連勝していた点だ。昨年の勝ち馬ヤマニンウルスも夏場に強い血統背景を持っていたが、この一族も暑い時期にパフォーマンスを上げるタイプなのかもしれない。

 ②着のメイショウハチローはシニスターミニスター産駒。こちらも米国スピードタイプを代表するエーピーインディ系だ。マテンロウコマンドとは祖母の父がロベルト系という点も共通している。ちなみに④着インユアパレス、⑤着バトルクライも祖母の父がロベルト系。パワーを補完するロベルトの血が、力の要る中京ダートで存在感を示した一戦だった。

 その点でいえば③着のドンインザムードはロベルトの血を全く持たない。父はストームキャット系のアジアエクスプレスだが、自身には芝GⅠ朝日杯FS勝ちもある。勝ち馬とは対照的に、前走は東京の欅Sで②着に1秒2差の圧勝しており、昨年は大井のジャパンダートクラシックで⑪着に敗れていた。ロベルトの血を持たない配合で、この力の要る馬場を③着に踏ん張った点は高く評価していい。確実に力を付けてきている。

関屋記念は不良馬場で欧州由来の血が真価を発揮

 新潟は中京とは打って変わって横殴りの雨。日曜は芝、ダートとも6R以降が不良となり、こちらも極端な馬場状態が適性の差を浮き彫りにした。

 関屋記念を勝ったのはアンパドゥ。4角11番手から直線は内から伸び、②着に5馬身差をつける完勝。父イフラージ、母の父ドバウィともにミスタープロスペクター系だが、父は欧州で7F重賞を3勝。母の父も愛2000ギニーなど欧州のマイル路線で活躍した。

 曾祖母のケレラは英2000ギニー②着馬、祖母ファースオブローンは仏1000ギニー②着馬。母の全弟にはBCマイルなどGⅠ3勝を挙げたマスターオブザシーがおり、配合全体としては非常に欧州色の濃いマイラーなのだ。ラスト3Fは33秒7はメンバー唯一の33秒台。雨馬場を全く苦にしていなかったのは欧州由来のパワー故だろう。

 これで7戦5勝。ナスキロ由来の切れもあり、前走は東京マイルで上がり32秒7での差し切り。軽い馬場の瞬発力勝負でも結果を出している点は大きな強みだ。秋へ向けて楽しみな重賞初制覇となった。

 逃げたクランフォードが②着。父ブリックスアンドモルタルはストームキャット系だが、こちらもスピード一辺倒の米国型ではない。父の父ジャイアンツコーズウェイはストームキャットの直子ながら欧州でGⅠ6勝。母ビヨンドザウェーブスもフランスで2勝を挙げている。ブリックスアンドモルタル自身も米国の芝中距離路線で活躍した。父系は欧州色が色濃く残っており、自身も過去には重馬場で3馬身半差での圧勝歴もある。時計のかかる芝への適性の高さが、ここでも生きたとみるべきだ。

〝夏は牝馬〟 注目はエピファネイア産駒

 重賞以外で先週の競馬を振り返ると目立ったのが牝馬の活躍だ。先週の72鞍で牝馬は半数となる36勝。〝夏は牝馬〟とも言われるように、気温が上がって成績を伸ばしてきたか。

 では、一番気温が高かった中京はどうかというと24鞍で11勝。半数には届かなかったものの、ひとつ前の小倉開催では96鞍で牝馬が35勝。西の開催という括りで見ても牝馬の勝ち星は確実に増えている。

 牝馬の中でも注目したいのが最多の3勝を挙げたエピファネイア産駒だ。初年度産駒から牝馬3冠を制したデアリングタクトを出すなど、パワー型でタフな馬を出すロベルト系としては、しなやかに切れるタイプが多いのが特徴。フィリーサイヤーとまでは言わないものの牝馬の活躍が目立つ種牡馬だ。加えて、産駒は元来大箱コースを得意としており、2歳戦に強いのも特徴のひとつ。夏本番へ向けてエピファ産駒の牝馬がさらに勝ち星を伸ばしてくる可能性は十分ありそうだ。

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亀井辰之介

 競馬好きの父親の影響もあり、子供のころから競馬中継を一緒に観戦。最初は父親が馬券を当てるともらえる臨時の小遣いが目当てだったが(ただし、父は穴党だったため、あまり的中した記憶はない……)、ある日、シンボリルドルフといういかにも強そうな名前の馬が、強く勝つ姿に魅入られたのが競馬ファンになったはじまり。
 その後はテレビゲームの競馬ソフトにどっぷりハマり、今までに遊んできた競馬ゲームは数知れず。その時に競走馬の配合の奥深さを知り、血統に興味を持ったのが今の予想スタイルの根幹か。現在でもたまにゲームをたしなみ、好きだった競走馬の産駒を活躍させることが小さな喜び。
 予想スタイルはもちろん“血統”。各馬の血統を分析。得手、不得手を見極め得意条件に出走する時に狙い撃ち! 好配当を目指します。

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