亀井記者の血統ロックオン

スマートオーディン産駒が重賞初制覇

公開日:2026年7月21日 07:00 更新日:2026年7月21日 07:00

ゼンダンハヤブサは父同様に適性距離の幅が広い!?

 日曜小倉では夏の小倉を締めくくる小倉記念が行われた。ハンデ戦らしく今年も波乱の決着で、勝ったのは10番人気のゼンダンハヤブサ。昨年のイングランドアイズに続いて格上挑戦で重賞初制覇となった。

 正直なところ、全く眼中にはなかった。格上挑戦で、ここまで3勝クラスで⑤着3回、今回が重賞初参戦。これまではマイルを中心に使ってきており、二千㍍も今回が初めてだった。

 スマートオーディンの産駒もこれが重賞初制覇だ。そもそも産駒自体が少なく、なかなか傾向がつかみにくいのだが(中央で勝ち鞍があるのは同馬と2勝で引退したルクスレゼルヴァだけ)、思えば父は重賞4勝千四の阪急杯、千八の東京スポーツ杯2歳S、毎日杯、二千二百㍍の京都新聞杯を制しており、距離の融通がきくタイプだった。産駒もその影響で適性距離のレンジ幅が広いのかもしれない。

 加えて、祖母のオウリエットは米国で芝9FGⅠ、10FGⅡを制覇。そこでも中距離をこなせる下地はあったのだろう。

 とはいえ、今回は1枠1番から道中は小回りで最内の経済コースをぴったり回ってのもの。ハンデも52㌔と軽量。小倉は金曜に雨があり、土曜はその影響もあってか外差しが決まるシーンもあったが、日曜は馬場が乾いた影響か、このレースも内の馬が優勢に。恵まれた面もあり、この1戦だけで中距離向きと判断するのは早計だろう。

 1番人気のジョバンニが②着。半姉に府中牝馬Sを連覇したセキトバイーストがいる。ジョバンニはエピファネイア産駒でロベルトの4×6のクロス内包。姉同様に持続力勝負に強く、小倉で新馬を勝っているように、小回りは全く問題ない。今回は勝ち馬にうまく乗られたことと、斤量の差だろう。半姉セキトバイーストが4歳時に本格化したように、同馬も4歳のここからさらに力をつけてきてもいい。

 ③着に2番手からレースを進めたレーゼドラマが粘り込み。キズナ産駒でダマスカスの4×6のクロスをはじめ、テディ系の血を多く持っている。テディ自身はフランスでリーディングサイヤーとなったが、その子孫は米国で繁栄。ダマスカスも米2冠馬でパワーを伝える血だ。最終週で荒れ気味の馬場はこの馬向きだった。

函館2歳Sは重馬場でサドラーズウェルズ内包馬が上位独占

 函館では26年度初の2歳重賞、函館2歳Sが行われた。

 今年は前日にかなりの雨が降り、重馬場での施行。勝ち時計の1分10秒4は過去10年でも3番目に遅い時計。2歳の若駒にとってはかなりタフな馬場状態だった。

 もちろん、この馬場が勝負の分かれ目となった。洋芝、重馬場で浮上する血統と言えば、もちろん欧州系だ。実は今回、掲示板に載った5頭のうち①~④着馬はサドラーズウェルズ内包馬なのだ。ちなみに、それ以外でサドラーズウェルズの血を持っていたのはダイメイビッグボス(⑩着)だけ。5頭中4頭が掲示板ということからも、欧州血統向きの馬場だったことが分かる。

 さらに付け加えるなら、①~③着馬は母の父がハーツクライで、②着馬は父がハーツクライ直子のサリオスとハーツの血を持つ点も共通している。ハーツクライはトニービンの血を内包しているので、その辺も今回のタフな馬場にマッチしたのかもしれない。

 勝ったフェリチタはタワーオブロンドンの産駒。ミスプロ系の種牡馬ではあるが、父の父レイヴンズパスは欧州のマイル路線で活躍している。同産駒のパンジャタワーが洋芝のキーンランドCを制したように、洋芝は得意なタイプ。ミスプロの5×4×5のクロスでスピードを底上げしており、今回のようなタフな馬場でのスピード勝負は絶好の舞台だった。

 ②着イモージェンは新種牡馬のサリオス産駒。祖母にシーザリオがいる良血だ。内からいったん先に抜け出したが、ゴール前で勝ち馬の逆転を許した。ただ、ハーツクライ、ニジンスキー、サドラーズウェルズとスタミナ型の血も多く、配合からはもう少し距離があってもいいイメージだ。勝ち馬とは距離適性の差が出た印象。加えて、晩成型のイメージもあり、本当に良くなるのはまだ先ではないか。

 ③着ダイシンドラゴンはビッグアーサー産駒。3代母がスカーレットインクでスカーレット一族と、②着馬同様、優秀な牝系だ。こちらもノーザンテーストの4×3のクロスを持つ晩成型。ビッグアーサー産駒自身も晩成傾向があるだけに、本格化するのはまだ先だろう。

 掲示板に載ったなかで唯一、サドラーズウェルズの血もトニービンの血も持たなかったのが⑤着のシグレ。ミスプロの4×5に母の父ストームキャット系の配合。スタートから早めに出していったように、スピードは見せたが、この馬場で最後まで粘り切るだけのタフさが足りなかったか。軽い芝のスピード勝負で見直したい。

 先週で、小倉、福島、函館開催が終了。今週から、中京、新潟、札幌へ舞台が移る。中京、新潟は言わずとしれた、直線の長い大箱コース。札幌は小回りだが、コーナーが緩やかで、同じ洋芝でも函館より差しの決まりやすい舞台になっている。

 今夏の小倉、福島、函館開催の2歳戦を振り返るとトップはシスキン産駒で5勝。ついで3勝でエフフォーリア、ビッグアーサー、エピファネイア、サートゥルナーリアが並んでいる。そう、サンデーサイレンス系が思ったほど走れていないのだ。

 ちなみに、昨年の中京、新潟、札幌開催の1週目は2歳戦が5戦あってコントレイル、キズナ、リアルスティールとサンデー系3勝。今年も同系の巻き返しがあるかに注目している。





年間プランがお得! お申し込みはこちら

亀井辰之介

 競馬好きの父親の影響もあり、子供のころから競馬中継を一緒に観戦。最初は父親が馬券を当てるともらえる臨時の小遣いが目当てだったが(ただし、父は穴党だったため、あまり的中した記憶はない……)、ある日、シンボリルドルフといういかにも強そうな名前の馬が、強く勝つ姿に魅入られたのが競馬ファンになったはじまり。
 その後はテレビゲームの競馬ソフトにどっぷりハマり、今までに遊んできた競馬ゲームは数知れず。その時に競走馬の配合の奥深さを知り、血統に興味を持ったのが今の予想スタイルの根幹か。現在でもたまにゲームをたしなみ、好きだった競走馬の産駒を活躍させることが小さな喜び。
 予想スタイルはもちろん“血統”。各馬の血統を分析。得手、不得手を見極め得意条件に出走する時に狙い撃ち! 好配当を目指します。

著者詳細、記事一覧へ

最新記事一覧

  • アクセスランキング
  • 週間