亀井記者の血統ロックオン

持続力勝負でアドマイヤテラがレコード完勝

公開日:2026年3月24日 07:00 更新日:2026年3月24日 07:00

 阪神大賞典はアドマイヤテラが三千㍍3分2秒0のレコードで②着に3馬身差の快勝。昨年の目黒記念以来となる重賞2勝目で、レイデオロ産駒は昨年のサンライズアースに続き連覇達成となった。

 阪神の内回りで行われるこのレースは、例年スローからのロングスパート戦になりやすい。今年も前半の千㍍が1分2秒5と落ち着いた流れ。後半の5Fは12秒1ー11秒7ー11秒5ー11秒4ー11秒6のロングスパート戦になった。

 アドマイヤテラは父レイデオロが全くサンデーサイレンスの血を持っておらず、母の父ハーツクライも長くいい脚を使えるタイプ。配合的に持続力勝負への適性が高く、このロングスパート戦で能力を余すところなく発揮した。重賞初勝利決めた目黒記念と近いラップ構成だった点も大きく、条件が噛み合った一戦といえる。

 一方で天皇賞・春は直線とは求められる適性が異なる可能性がある。平坦な京都の外回りでは長距離戦でもラストは瞬発力が求められるケースも少なくない。実際、23年はラスト千㍍13秒2―12秒3―11秒9―11秒5―11秒9の上がり3Fの勝負となり、ディープインパクト産駒のジャスティンパレスが差し切っている。昨年のサンライズアースも本番では④着に敗れており、同産駒でも舞台替わりでパフォーマンスが変わる点には注意が必要だ。今回の再現が利くかは、メンバー構成とペース次第とみる。

 逆に②着アクアヴァーナルはエピファネイア×ディープインパクトで、同じステイヤーでも瞬発力勝負に向くタイプ。前走の万葉Sでは京都三千の外回りで上がり3F33秒8の脚を使っている。京都の方が合うイメージで、展開次第で本番での逆転も十分に考えられる。

 ③着ダノンシーマはキタサンブラック産駒だが、母の父がインクールドで米国の中距離型。持続力勝負自体は向いたが、本質的には中距離志向であり、初の三千でやや距離が長かったか。それでもデビューからここまですべて馬券圏内と安定感は抜群。苦手条件の少ないタイプで、今後も大崩れなく走りそう。

意外とペースが流れなかった土日の中京7F重賞 愛知杯はアカイイト全妹アイサンサンが姉同様の大金星

 一方、戦前の予想とまったく違った流れになったのが日曜中京の愛知杯。中京7F戦ということで昨年のようなハイペースの瞬発力勝負を想定したのだが、実際は前半3F33秒9に対して上がり3Fは34秒2。前後半の5Fも56秒9=56秒8の緩みのないミドルペースになり、切れよりもしぶとさが要求されるレースになった。

 勝ったのはアイサンサンで12番人気で逃げ切り。全姉はエリザベス女王杯を10番人気で制した馬アカイイトで、姉同様の大金星となった。血統をみるとキズナ×シンボリクリスエスで、祖母の父がニジンスキー系。こういったしぶとさ比べにはめっぽう強い配合だ。全姉のエニシノウタも二千で3勝を挙げており、本質的には中距離寄り。タフな流れになったことでスタミナ面が生き、最後まで脚色が鈍らなかった。前走の戎橋Sもスローで逃げて押し切ったが、ここ2戦は幸騎手に乗り替わっていい走り。姉をGⅠ馬に導いたジョッキーとの相性もいい。

 ②着ソルトクィーンはシルバーステート×ストロングリターンで、ロベルトの4×5のクロス内包馬。好位の直後からラストはしっかり伸びてきたように、こういったタフな流れには強い。ちなみにこの馬もニジンスキーーの血を持っている。勝ち馬同様、本馬も中距離寄りの配合。こういった馬が上位に来たことが、見た目以上にタフなレースだったことを示している。

 本命に推したウイントワイライトはスタートで後手を踏んで後方からの競馬。この流れでは位置取りが厳しかった。それでもメンバー最速の上がり33秒1と脚は見せている。母がダイワメジャー×ゴーンウェストとスピード勝負に強い配合なので、瞬発力勝負の短距離戦であたらめて見直したい。

 土曜に同舞台で行われたファルコンSも前後半の3F34秒1=34秒2、5F57秒0=56秒9とイーブンペース。先行タイプがそろった構成を考えれば、もう一段速くなる余地はあったと思うが、結果的には消耗戦寄りの流れとなった。

 結果、京王杯2歳S勝ち馬で朝日杯FS②着のダイヤモンドノットが①着で、函館2歳S勝ち馬のエイシンディードが②着。底力の問われるレースで重賞実績のある2頭が連対した。

 ダイヤモンドノットは父ブリックスアンドモルタル×母の父ディープインパクトで、同じ配合ではサウジアラビアRC勝ちのゴンバデカーブースがいる。父、母の父ともに決め手に優れた面があり、直線の長いコースは得意。ここも33秒6の上がりで馬群から抜け出している。今回は力でねじ伏せた形だが、、直線が長いマイル前後での瞬発力勝負ならさらにパフォーマンスを上げていい。

 ②着エイシンディードはファインニードル×キングカメハメハで、スピード勝負に強い持続力型。今回も2番手から自分の競馬はしたものの勝ち馬が一枚上だった。マイル戦だった前走のデイリー杯2歳Sでのラストの止まり方を見ても、本質は血統通りのスプリンターであり、距離は短い方がいいだろう。

スマートレイアーの仔スマートプリエールが距離延長で本領発揮

 土曜中山のフラワーCはスマートプリエールがV。母は重賞4勝のスマートレイアーという良血だ。ここ2戦はマイルで③⑥着だったが、エピファネイア×ディープインパクトの配合。祖母の父が欧州ノーザンダンサー系のホワイトマズルということもあり、どちらかといえばスタミナ寄り。もともと千八で未勝利を勝ったように中距離型の印象が強い。千八に戻った今回は中団で脚をためてラストはしっかり伸びてきた。今回は中山での勝利だったが、配合的には広いコース向き。桜花賞よりオークス向きのイメージか。

 イクイノックスの全妹で1番人気だったイクシードは③着。キタサンブラック産駒でサーアイヴァーのクロスを持つ馬は瞬発力勝負に強い傾向。兄イクイノックスの天皇賞・秋でレコード勝ちや、ダービーを制したクロワデュノールを見ても、東京向きなのは間違いないと思っていた。それでもここは素質でどうにかしてほしかったのだが、重賞の壁は甘くはなかった。③着で賞金を加算できなかったことは痛かったが、メンバー最速の上がり33秒6の脚をみせており、能力の高さは示した一戦。成長力のある血統背景から、今後のさらなる進化を期待したい。

亀井辰之介

 競馬好きの父親の影響もあり、子供のころから競馬中継を一緒に観戦。最初は父親が馬券を当てるともらえる臨時の小遣いが目当てだったが(ただし、父は穴党だったため、あまり的中した記憶はない……)、ある日、シンボリルドルフといういかにも強そうな名前の馬が、強く勝つ姿に魅入られたのが競馬ファンになったはじまり。
 その後はテレビゲームの競馬ソフトにどっぷりハマり、今までに遊んできた競馬ゲームは数知れず。その時に競走馬の配合の奥深さを知り、血統に興味を持ったのが今の予想スタイルの根幹か。現在でもたまにゲームをたしなみ、好きだった競走馬の産駒を活躍させることが小さな喜び。
 予想スタイルはもちろん“血統”。各馬の血統を分析。得手、不得手を見極め得意条件に出走する時に狙い撃ち! 好配当を目指します。

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