亀井記者の血統ロックオン

昨年に続いてファインニードル産駒の5歳牝馬が制したシルクロードS

公開日:2026年2月3日 07:00 更新日:2026年2月3日 08:12

 先週のシルクロードSはハンデ戦らしい大波乱の結果。京都芝6F芝は内回りコースで、直線が短く、前半のダッシュ力とスピードの持続力が結果を左右しやすい舞台だ。過去の傾向からサンデーサイレンス系は不振で、人気薄の伏兵が台頭するケースが目立つレースでもある。人気薄の激走が多いのは、ハンデ戦での上積みと展開のバラつきが大きいことにも起因しているのだろう。

 今年も①着に16番人気のフィオライア、②着に6番人気レイピア、③着に9番人気ヤマニンアルリフラが入り、上位はことごとく人気薄で占められた。1番人気のロードフォアエースは⑨着に敗れ、人気と配合の評価が噛み合わない結果となった。

 勝ったフィオライアは父ファインニードルで母の父サクラバクシンオーというピュアスプリンター。スタートはそこまで速かった訳でないが二の脚でハナに立つとそのまま押し切った。これで昨年のエイシンフェンサーに続いて5歳牝馬のファインニードル産駒が勝利。産駒は父同様の晩成タイプが多く、ダート寄りの馬出すよう冬の荒れ馬場も苦にしない。今後もこのレースで狙って面白い種牡馬かもしれない。

 ②着レイピアはタワーオブロンドン×エンパイアメーカーで母の父の米国型血統でパワーと持続力を補完したスプリンター。サンデーの血を全く持たないだけにこの舞台も良かったか。近走は差す競馬が板についてきており、今回も上がり3Fは33秒2で突っ込んできているのだが、勝ち馬に逃げて33秒5の脚を使われては仕方なし。ただ、差しに回ってからはレース内容が安定しており、近いうちにチャンスは回ってきそう。

 ③着ヤマニンアルリフラは最近勢いのあるヤマニンパピオネの子。半兄ヤマニンウルスはダートの重賞勝ち馬だが、弟は父イスラボニータで芝向きだ。小倉の北九州記念も制したように小回り向きのタイプでもある。SS系でもイスラボニータはマイラー寄りで小回り適性はあるが、純スプリント血統との比較では分が悪かったか。

 ちなみに、上位3頭に父、もしくは母の父にミスプロ系。特に⑤着ヤブサメもファインニードル産駒で①③⑤着馬がエンドスウィープ(フォーティナイナー系)の血を持ってたことは覚えておきたい。

 ④着カルプスペルシュは2番人気。父シュヴァルグラン、母の父ロードカナロアという配合で、スタミナ寄りの父に母系でスピードを補った形だが、本質的には一瞬の加速力よりも持続力型。流れ自体は悪くなかったものの、直線の短い京都では決め手比べでやや分が悪かった印象だ。上位と差のない④着だけに内容は悪くなく、もう少し直線の長いコース、もしくは時計のかかる馬場なら着順は入れ替わってもいい。

 一方、本命に推したロードフォアエースは⑨着。父ロードカナロア自体はスピード型として条件合致と考えたが、位置を取りに行った分、やや行きたがった印象。それが最後の粘りに響いたか。あと、結果論にはなるのだが、ストームキャットにインリアリティとスピード寄りのクロスが多く、勝っているレースは高速決着も多い。冬場のタフな馬場より時計の速い馬場の方が合うタイプなのかもしれない。その辺は次走以降でしっかりと見極めていきたい。

 全体として、今年のシルクロードSは父ファインニードルやタワーオブロンドンといった芝スピード×持続力血統の短距離型が上位に入った。人気薄でも展開と血統の噛み合わせさえハマれば、ハンデ戦は何が起きるか分からないことを改めて思い知らされた一戦だった。

根岸Sはロードカナロア産駒の3連覇

 東京で行われた根岸Sがロードカナロア産駒のロードフォンスがV。昨年②着の雪辱を果たす結果となった。ちなみに、根岸Sは一昨年がエンペラーワケア、昨年コスタノヴァとカナロア産駒が勝っており、産駒は3連覇。やはり最近の東京ダートでカナロア産駒は侮れない。フォンスは母の父がダイワメジャーでパワーとスピードを兼備したタイプ。昨年はマイルの武蔵野Sで⑤着だったように、距離は今回の千四ぐらいまでがいいタイプだろう。

 ②着バトルクライは父イスラボニータ、母の父キングカメハメハという中距離色の強い血統。一見すると芝向きだが、祖母の父ブライアンズタイム、曾祖母の父ブレイベストローマンが砂適性を支えている。スピードの質と持続力のバランスが条件に合致した。人気薄ながらも上がりをしっかり使い、展開の妙も絡めて②着に飛び込んだ。

 ③着ダノンフィーゴは父イントゥミスチーフ×母の父キャンディライドの配合。米国型でいいスピードを持っている。負けたとはいえ、重賞初挑戦でこの内容なら上々。強い4歳世代の1頭して力を付けてくる可能性は十分ありそうだ。

 1番人気インユアパレスは⑧着に敗れた。父パレスマリス×母の父ディープインパクトという配合はやや芝寄りの印象も。前2走の連勝に3勝クラス勝ちも不良、稍重の湿った馬場。良馬場よりも脚抜きの良い湿ったダートに方がいいタイプかもしれない。

亀井辰之介

 競馬好きの父親の影響もあり、子供のころから競馬中継を一緒に観戦。最初は父親が馬券を当てるともらえる臨時の小遣いが目当てだったが(ただし、父は穴党だったため、あまり的中した記憶はない……)、ある日、シンボリルドルフといういかにも強そうな名前の馬が、強く勝つ姿に魅入られたのが競馬ファンになったはじまり。
 その後はテレビゲームの競馬ソフトにどっぷりハマり、今までに遊んできた競馬ゲームは数知れず。その時に競走馬の配合の奥深さを知り、血統に興味を持ったのが今の予想スタイルの根幹か。現在でもたまにゲームをたしなみ、好きだった競走馬の産駒を活躍させることが小さな喜び。
 予想スタイルはもちろん“血統”。各馬の血統を分析。得手、不得手を見極め得意条件に出走する時に狙い撃ち! 好配当を目指します。

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