栗東に4年目の若手騎手・大久保友雅の姿があった。ニュージーランドでの武者修行帰りで顔つきに精悍さが増した。最初の1年間は英語の勉強をし、短期免許を取得。最後の5週は8勝を挙げての帰国となった。
「馬の力が強く、競馬もタイト。狭いところで我慢させる競馬に学ぶことは多かったですね。感謝しています。まだ▲3キロ減量があるので、生かせるよう頑張ります」
筋肉のついた体からも甘えられない環境下での競馬への意識改革があったことが伝わる。騎乗は来週から。日本ではまだ通算3勝だが、あっという間に海外での8勝は超えそうな気がしている。
【札幌11R・札幌2歳S】 同じ洋芝で函館、札幌の違い。一番はコーナーの大きさにある。札幌で変わる馬はフットワークの大きさを生かし、スピードに乗せて直線を向くからより伸びる。
◎スマートプリエールがそう。胴長であり、頭を前に出して走るからストライドが大きい。個人的にはコーナーが緩やかな札幌コースの方がより合う印象を持っている。前走の函館では4角進出で4馬身差勝ちだったが、それ以上に走れていいはずなのだ。
母スマートレイアーの血統は、ツメが薄く、そこに弱さを抱える馬も多かったが、「上と比べても一番、体質面でしっかりとしている」と大久保師が話すほど。実際に、2歳の夏にコンスタントに3戦目を迎えられることが丈夫な証拠で、一戦ごとの上積みも大きいとみる。
流れる展開で構え、タイミングよく外差しを決めるのは武豊が最も得意とするところ。札幌の最終重賞は名手がスマートで決める。
1974年、愛知県で生を受ける。名前の通りのザ・長男。
大阪での学生時代、暇な週末は競馬場に通い、アルバイトをきっかけに日刊ゲンダイへ。栗東トレセンデビューは忘れもしない99年3月24日。毎日杯の週で、初めて取材した馬は連勝中だったテイエムオペラオー。以降、同馬に魅せられ、1勝の難しさ、負けに不思議の負けなしと、学ばせてもらったことは実に多い。
グリーンチャンネルでパドック解説をさせていただいているが、パドック党であり、大の馬体好き。返し馬をワンセットで見たい派。現場、TV観戦でもパドックが見られなかったレースの馬券は買わないと決めている。
余談だが、HTB「水曜どうでしょう」の大ファン。こんこんと湧き出る清水のように名言を連発する大泉洋氏を尊敬してやまない。もちろん、“藩士”ゆえにDVD全30巻を所持。