【アイビスサマーダッシュ】ピューロマジック収穫大の差し切りV
公開日:2025年8月4日 14:00 更新日:2025年8月4日 14:00
脚質転換でひと皮むけてGⅠ取りへ
新潟直線千メートルの名物重賞、アイビスサマーダッシュを制したのはピューロマジック。葵S、北九州記念に続いて重賞3勝目となった。
デビュー3戦目で初めて逃げて10馬身差をつける衝撃の勝ちっぷり。その後も自慢の快速でオープン入りを果たした。昨秋のスプリンターズSも前半3F32秒1で飛ばしながら0秒5差(⑧着)に粘っている。
爆発的なスピードを見せる半面、レースぶりが淡泊になっていたのも事実としてあった。それで前走のアルクオーツスプリントは差しに転じた。今回も同じような作戦を継続することに。
3枠6番で、千直において恵まれているとは言えない枠順。それでも、スタートして少しずつ外に寄せながら前に馬を置くことに成功した。注文通りの形に持ち込めたといっていい。
「調教師の指示で乗りました。リラックスできたので、ラスト300メートルはいい脚を使ってくれました」とはルメール。内に切り替えてゴーサインを出すと、鮮やかに突き抜けてみせた。
「たくさんのスピードがあるので、このタイプは慣れてますね」
鞍上はJRAに所属して10年経つが、今回のアイビスサマーダッシュで千直はわずか4戦目。それをみじんも感じさせない好騎乗だった。
勝ち時計53秒7はタイレコードで、02年にカルストンライトオがマークした数字に並んだ。まさに内容も記録もケチのつけようがない。
新たなスタイルを身につけ、ひと皮むけた印象すらある。そうなれば、あらためて秋のGⅠも視界に入ってくる。
これまでは直線が平坦なコースにしか実績がないものの、逃げ一辺倒ではなくなった今なら坂のあるコースも克服できそう。大きな可能性を感じさせる勝利だった。