カムニャックのポテンシャルは世代トップだ。
デビュー前からオープン馬をあおる動きを見せており、友道師も「能力はピカイチ」と素質を高く評価していた。
その言葉通り、新馬戦はノーステッキで快勝。レースのラスト2Fが10秒9―10秒9という究極の瞬発力勝負を楽々と3馬身半抜け出してみせた。
このように“中京芝の2歳戦でラスト2Fが21秒台”だったレースは過去3例だけ。勝ち馬を挙げれば、ワグネリアンにアドマイヤマーズ、そしてナミュールとのちのGⅠ馬が続く。これほどのラップの中を持ったままで抜け出した能力は優にGⅠ級と言えよう。
その後の2戦は⑥④着と精彩を欠いたが、敗因は「夏の疲れが尾を引いた」ため。新馬の頃のデキになかったから全くの参考外でいい。
復調の兆しを見せていたGⅡフローラSを勝ち上がり、体調はグンと上向いている。
1週前はCウッドで6F82秒4―36秒3、1F11秒2をマークすれば、直前の坂路は4F53秒0。道中はきっちり加速ラップを刻んで、文句なしの“A”評価だ。
これだけ攻め込んだ調整過程でも、調教後の馬体重は前走から12キロも増量。482キロまでパンプアップした馬体に指揮官も「張りがあってガッチリしてきた。馬も自信を持って歩いてる。状態はさらに良くなってます」と言い切った。
能力の絶対値は間違いなく世代屈指。過去イチのデキにある今、その強さを見せつける。
“期待値が最も高いのはワイドだ”という持論のもと、人気サイドと中穴を絡めたワイド一点勝負を得意とするレース部の最年少。22年春から栗東で取材に励んでいる。一点勝負で磨いた感性と、変幻自在の組み合わせで一獲千金を狙う。