【オークス】勝負がかり!? 200万円の追加登録料+好調・丹内で挑むパラディレーヌ

公開日:2025年5月21日 14:00 更新日:2025年5月21日 14:00

200万円を払ってのオークス出走

 勝負気配漂う──。

 優勝劣敗の競馬の世界では、勝利への執念、意気込みが強い時にこんな言葉で表される。

 今年のオークスでいえば、パラディレーヌがそうかもしれない。ひとつが樫出走へ追加登録料の200万円を払っての出走という点。もうひとつが騎手のスイッチ。丹内祐次に手綱を委ねるということだ。

 前記のクラシック登録といえば、有名なのが88年のオグリキャップだろう。中央に移籍し、ペガサスS(旧アーリントンC、現チャーチルダウンズC)、毎日杯と連勝しながらもクラシック登録がなかったために皐月賞、日本ダービーには出走できなかった話は有名だ。実力馬たちの不憫なケースをなくすために92年から追加登録制度が導入され、最終登録時に200万円を支払えば、3回で1、2、36万の計40万円の通常のクラシック登録より割高となるものの出走可能となった。

 今回のパラディは、前走のフラワーCが、初の関東圏での競馬で出遅れ、それを挽回しての②着連対でもあった。ここに陣営が「GⅠの舞台でも力は足りる」と踏んでの追加登録とみていい。

「丹内をGⅠジョッキーに」というオーナーサイドの思い

 続いて、後者の乗り替わり。

 実際に、前走で手綱を取った川田が引き続き鞍上となっていいケースだろう。ただし、ここにはオーナーサイドの「丹内をGⅠジョッキーに」という強い思いから有力馬を任せたという背景がある。

 その丹内、39歳の22年目のシーズンはまさに絶好調だ。昨年が70勝で自身のキャリアハイとなったが、今年は17勝での小倉リーディングに続き、春の福島でも12勝でリーディングを獲得。

 好調ぶりはとどまるところを知らず、現在、10週連続勝利中で47勝。昨年の1・5倍のペースで勝ち星を重ね、戸崎(54勝)に続く全国リーディングジョッキーで2位につけている。小倉牝馬S、小倉大賞典、日経賞を含む特別戦でも10勝という自身も未知の領域に入っている。今の勢いならこのチャンスをものにしても不思議ではない。

 パラディ自身も、フラワーCでの外傷明けではあるが、1週前のCウッドで6F77秒6の猛時計を馬なりで出したほど。千田師も「これまでに乗ったジョッキーは〝二千四百㍍の距離は大丈夫。持ちます〟と話しているし、カバーできるだけの能力もある」と話すほどだ。

 陣営が決めた追加登録料+丹内の勝負は実を結ぶのか。勝てば、大逆転での樫の女王、新GⅠジョッキーが誕生する。レース発走の25日、日曜の15時40分が俄然、楽しみとなってきた。

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