【NHKマイルC】荒れるという定評は本当か 過去の傾向から勝ち馬を大分析 絞りに絞ると今年の該当馬は5頭だけ!?
公開日:2025年5月8日 14:00 更新日:2025年5月8日 14:00
NHKマイルCはよく荒れるといわれている。確かに過去29回のうち、3連単100万馬券が出たことが4回も。これは他のGⅠに比べて、かなり多い。しかし、「難しい」と言ってしまうのは簡単だが、一獲千金のチャンスでもある。この難解なGⅠにも、ある程度の方程式は存在するのだ。
このレースがなぜ荒れるのか。それはもちろん、人気薄が馬券圏内に来るからだが、実は多いのが〝③着”だ。過去29回で10番人気以下が3勝②着5回③着10回。そう、3連系の馬券は荒れるが、馬連、馬単はそうではないことが多い。
例えば、昨年は2番人気ジャンタルマンタルが制し、②着が1番人気アスコリピチェーノ、③着が10番人気ロジリオン。馬連は360円、馬単でも700円だった。
16年は1番人気メジャーエンブレムが勝利し、②着が2番人気ロードクエスト。そして③着が12番人気のレインボーラインである。3連単は3万超えだが、馬連は940円だ。
カレンブラックヒルが1番人気に応えた12年も③着が15番人気クラレントで、3連単は26万馬券だが、②着アルフレードは3番人気で馬連は1480円である。つまり、③着まで手を広げない方が儲ける近道かもしれない。
とはいえ、人気薄が勝ったことも決して珍しくないNHKマイルC。では、勝つ馬はどんな条件を満たしているのか。
ほぼ絶対の条件と言っていいのが、「前走は重賞」であることだ。
これは過去29回中、28頭の勝ち馬が該当する。では、例外は何かというと99年のシンボリインディ。京都千六のマーガレットSを勝っての参戦だった。ただし、この馬は2戦目の新馬勝ち(当時は同じ開催なら、負けても新馬戦に出走が可能だった)から、ひいらぎ賞、マーガレットSと3連勝中だった。これぐらいの実績、勢いはほしい。
だが、近年は賞金のボーダーが上がり、今回の出走予定馬はすべて前走が重賞。ここからさらに絞っていく。
シンボリインディを除いた勝ち馬28頭の前走グレード別はGⅠが7頭、GⅡが12頭で最も多く、GⅢは9頭である。
GⅠはすべて桜花賞、皐月賞のいずれか。07年ピンクカメオは桜花賞⑭着から激変したが、他6頭はすべて⑤着以内だ。
となると、今年は桜花賞④着のマピュースのみが該当する。
GⅡ組のうち、21年のシュネルマイスターが弥生賞②着からの参戦で、02年テレグノシスがスプリングS②着から。他はすべてニュージーランドT組だ。
その10頭の着順は③着以内が8頭で、00年イーグルカフェ、13年マイネルホウオウが⑦着から。ただし、イーグルカフェは共同通信杯の勝ち馬だし、マイネルホウオウはスプリングSで③着がある。つまり、クラシック路線の重賞で③着以内、もしくはNZTで③着以内が必須条件だ。23年に9番人気で制したシャンパンカラーはNZT③着馬である。
今年、クラシック路線の重賞組がいないから、素直に対象馬はNZT①着イミグラントソング、②着アドマイヤズーム、③着コートアリシアンのみとなる。
では、最後に前走がGⅢの馬。これは毎日杯組が6頭、アーリントンC(今年からはチャーチルダウンズC)組が2頭、ファルコンS組が1頭。
毎日杯組のうち、5頭は勝ち馬で、⑧着だった03年のウインクリューガーは、その前走でアーリントンC勝ちがあった。
アーリントンC組は14年ミッキーアイル、22年ダノンスコーピオンで、ともに勝ち馬。ファルコンS組は20年に同レース②着から本番を制したラウダシオンがそうだが、これはかなり例外に近い存在。とりあえず、条件は前走連対、もしくは前々走での重賞勝ちとなる。
なら、今年の対象馬はチャーチルダウンズCの勝ち馬ランスオブカオスに、ファルコンS馬ヤンキーバローズがギリギリ引っ掛かるかといったところ。
ここまででフルゲート18頭を5頭、ヤンキーバローズを含めても6頭にまで絞った。過去の傾向からはこの中に勝ち馬がいるはずだが……。