【ユニコーンS】ルーキートレーナーの重賞勝ち一番乗り!? カナルビーグルでバースデー&初重賞Vに挑む佐藤悠太調教師
公開日:2025年4月30日 14:00 更新日:2025年4月30日 14:00
今年は東3名、西9名の新規調教師が開業
今年は9人の調教師が開業した。美浦では浅利、田中勝、柄崎師。栗東では秋山、井上、加藤公、佐藤悠、東田、前川師が3月から未来のスターホースづくりに精を出している。
JRA初の女性トレーナーの前川恭子師も大きな話題となったが、ルーキー調教師の初勝利は西の東田明士師だった。2週目となる3月16日の阪神5Rを単勝223・4倍のヴィーナスバブルでV。競馬ファンを驚かせた。
「翌週の牧場回りでもその話題となって。ありがたいことです」と師は笑顔を見せる。
開業2カ月がたち、東西の新人調教師はいずれも、JRA初勝利を挙げている。オープン競走では佐藤悠師がレッドバロッサで三木ホースランドパークJSを、田中勝師がシリウスコルトで福島民報杯を制したが、いずれも重賞には手が届いていない。皆、「出走させるだけでも難しいもの。勝つことは……」と口を揃えるが、そんなビッグタイトルを初めて掴むルーキートレーナーは──。
土曜京都では3歳ダート重賞のGⅢユニコーンSが組まれている。ここに佐藤悠太師がカナルビーグルで挑む。
音無厩舎の定年解散での転厩馬だが、その初戦で開業初勝利を挙げた。3月23日の阪神6Rの前走がそう。阪神千八ダートで外枠からスッと好位3番手につける先行策。向正面で外からマクっててきたタガノマカシヤ(④着)に呼応し、一気に先頭に立つと直線はそのまま独走。後続を7馬身と千切る快勝を演じている。
「前走は転厩戦で、調教こそしっかりと乗れていましたが、正直、手探り状態な面がありました。馬がよく応えてくれたと思います」
「より乗りやすくなった感じ。パフォーマンスが上がっても」(佐藤悠師)
佐藤悠師はこう振り返る。迎える厩舎2戦目が重賞挑戦となった。
短期放牧を挟んで挑むが、調整面は順調だ。1週前は坂路で4F52秒9―12秒2をマーク。先行する僚馬を大きく追い掛ける形から先着し、今週はCウッドで6F80秒5―36秒2、1F11秒0と前走時を3秒ほど上回るタイムを出してきた。
「前走を使ったことで、今回は帰厩時から動き方がいいですね。もともと、操縦性の良さを感じる一頭ですが、より乗りやすくなった感じです。重賞挑戦で相手も強い。胸を借りる立場ですが、よりパフォーマンスが上がっても」
36歳の若きトレーナーは、実はレース当日の5月3日が誕生日。ここまで厩舎は順調に4勝の勝ち星を積み上げた。普段の丁寧なルーティンワークのたまものだろう。勢いそのまま、開業初勝利のメモリアルホースが、今度はバースデー初重賞Vをもたらすか。圧勝の前走からも注目したい一頭だ。