香港チャンピオンズデーを大展望
公開日:2025年4月24日 14:00 更新日:2025年4月24日 14:00
【チェアマンズスプリントプライズ】サトノレーヴ現地の怪物を逆転できるか!?
今週末、JRAはGⅠシリーズの谷間だが、香港で行われる「チャンピオンズデー」のGⅠ3鞍が馬券発売される。日本馬は合計8頭が参戦。それぞれのレースの見どころ、日本馬の勝算はどれほどなのか、考えてみたい。
最初に行われるのが芝千二のチェアマンズスプリントプライズだ。日本からはエイシンフェンサー、サトノレーヴ、ルガルの3頭が高松宮記念から。ドバイからの転戦となるダノンマッキンリーを含めて4頭が出走する。
サトノはそこで初のビッグタイトルを獲得し、エイシンは⑤着と健闘。ルガルは⑦着に敗れたものの、昨秋のスプリンターズS馬だ。
このレースは16年から国際GⅠに。その年は豪州馬が勝利したが、17年以降は地元勢が勝ち続けている。中距離は強いものの、短距離は手薄といわれている日本馬に対して、香港はその逆。
また、高松宮記念から1カ月もないとあって、過去にも同レースの優勝馬が参戦しているが、18年ファインニードルは④着、昨年のマッドクールは⑪着と惨敗した。
しかも、今年はあのカーインライジングが出てくる。現在11連勝中。昨年の香港スプリントの勝ち馬で、レコードVが2回という化け物だ。
サトノレーヴはその香港スプリントで③着。着差は半馬身、首だった。果たしてこの差は詰まるのか、それとも逆転は……。
カーインライジングにとって、ここは香港スピードシリーズ最終戦で、勝てば500万香港ドル(約1億円)のボーナスが。管理するヘイズ師も「ここが大きな目標」というだけあって、日本馬にとっては厳しい戦いとなるかもしれない。
【チャンピオンズマイル】地元ヴォイッジバブルの相手探しが濃厚
チャンピオンズマイルは05年から国際競走に。国際GⅠとなったのは07年からだ。
ここも現地の馬が強く、21年からゴールデンシックスティが3連覇するなど圧倒的。過去20回で外国調教馬の勝利は2回しかない。
そのうちの1回が16年のモーリスだが、それ以外は通算で6頭が出走して、すべて着外。しかも5頭は2ケタ着順という結果だ。
このかなり難しい戦いに挑むのはガイアフォース。今回は川田と新コンビを組む。
芝、ダート兼用タイプで、昨年はフェブラリーS②着、安田記念④着と好走。ただ、今年はフェブラリーSで1秒差の⑦着だった。
立ちはだかるのは地元のヴォイッジバブルだ。昨年はガイアフォースも出走した安田記念で⑰着と大敗したが、24/25シーズンは初戦②着のあと4連勝。昨年の香港マイルであのソウルラッシュに1馬身4分の1差をつけ、その後もマイルのスチュワーズC、二千メートルのゴールドCとGⅠを3連勝中だ。
鞍上はロマンチックウォリアーの主戦でもある〝J・マック〟ことマクドナルド。また、連勝を伸ばすことになりそうだ。
【クイーンエリザベスⅡ世C】ロマンチックウォリアー不在で日本馬3頭にチャンス到来
そしてメインは〝QEⅡ〟、クイーンエリザベスⅡ世C。芝二千メートルだ。
こちらは過去3年、ロマンチックウォリアーが勝っているレースだが、この距離は日本馬もかなり強い。
古くは02、03年とエイシンプレストンが連覇。その後も12年ルーラーシップ。17年ネオリアリズム、19年ウインブライト、21年ラヴズオンリーユーが制している。
ちなみに、21年は②着グローリーヴェイズ、③着デアリングタクト、④着キセキと日本馬が上位を独占した。
ここ2年、ロマンチックウォリアーの②着だったのはプログノーシス。3年連続の参戦で、初めてのGⅠタイトルを狙う。
また、タスティエーラ、リバティアイランドと5歳のダービー馬、3冠牝馬が挑戦。地元の怪物が不在の今回は大チャンスだろう。
割って入るのは地元勢ではなく、フランスのゴリアットが筆頭。昨秋はジャパンCに出走して⑥着だった〝キングジョージ〟の勝ち馬。今年はここがシーズン初戦となる。
評価が難しいのがニュージーランドの6歳セン馬エルヴェンセドールだ。
現在、GⅠ3連勝を含んだ4連勝中の上がり馬だが、すべてが道悪。週中の香港は雨予報だが、当日は快晴の見込み。どこまでやれるのか、未知数の一頭だ。