最近ではエコロヴァルツが大阪杯を④着、そして中山牝馬Sをシランケドが制するなど、ジワジワとその存在を示してきている牧浦充徳厩舎。調教師として早くも16年目となる牧浦調教師はいつもフレンドリーで気さくに話をしてくれる、私にもとてもありがたい存在です。
昨年11月の一口クラブの懇親会で久々にお会いし、その時に登場を打診、ここまで温めていよいよということになりました。
牧浦調教師はもともと調教助手として森秀行厩舎に所属しており、なぜかそこには私も知り合いがいたりして牧浦さんのことも知っていましたが、いつのまにか調教師試験に合格。「え! 早くなーい?」なんて驚いたものです。
ある年の2月。私は何人かと連れ立って伊勢神宮の内宮へ参拝に出かけたのですが、その参道で前から見たことのある人が歩いてきました。それが牧浦調教師。「中京で馬を使っていたので、その帰りにせっかくだから寄りました」。なんて偶然もあったりで、私の中では勝手に近い存在となっていた感じがします。
牧浦充徳調教師は34歳の若さで厩舎を開業しました。「調教師に合格する人が私より年下の人になってるー!」。そんな風に思ったのもこの頃からなのかもしれません。
牧浦師は馬術をしていた父親の影響もあり、小さい頃から乗馬クラブに通ったりと馬とは身近な環境で育ちました。馬術の腕前も確かなものがあり、高校の時の91年石川国体では標準障害飛越で3位入賞を果たしています。
その後は同志社大学に進み、馬術を続けました。父親は会社を経営しており、長男である自分は〝なんとなく跡を継ぐんだろうなと考えていたようですが、大学3年生の時に転機が訪れます。「バブルがはじけて、会社も家もなんにもなくなっちゃったんです」。
そこで就職活動が始まりますが、あまりピンとくるものがない。経営者になるという意識もありました。もともと馬術もやっており、競馬も好きだったということで、競馬界への道を探るため所属していた乗馬クラブの関係者に相談してみたそうです。
そこで出た名前が……。
(続きは4月30日に更新)
競馬キャスター
テレビ東京の「土曜競馬中継」などでリポーターを務め、競馬サークルに幅広い人脈をもつ。YouTubeの「日刊ゲンダイ競馬予想」で武田、大谷記者とともに出演。また、毎週水曜には「目黒貴子のアツアツ交遊録」を連載中。