【東京新聞杯】ウォーターリヒト鬼脚でマイル路線の主役へ
公開日:2025年2月10日 14:00 更新日:2025年2月10日 14:00
河内師の迫る引退に花を添えた
7年ぶりのうれしいタイトルとなった。
東京新聞杯は3月4日付で定年を迎える河内師が管理する4歳馬ウォーターリヒトが重賞初制覇を飾った。
騎手として2111勝と一時代を築き、05年3月に調教師として開業した河内師もいよいよ定年となる。重賞勝ちは18年GⅢ平安Sのサンライズソアから遠ざかっていただけに、この勝利は格別だろう。
ウォーターは3歳春こそ皐月賞⑯着とクラシックに出走したが、その後は本格的にマイルへ路線変更。それが見事にハマった。昨秋の復帰戦から3勝クラス①着→キャピタルS①着→GⅢ京都金杯②着、そして今回の勝利、4戦全て上がり最速と、最大の武器である末脚を磨き上げてきた。
この日も道中は1番人気ブレイディヴェーグを前に見ながら運び、直線は教科書通りに大外へ。仕掛けてからの反応は速く、上がり最速タイの3F33秒2の鬼脚を繰り出し、②着ボンドガールを首差とらえたところがゴール。勝ち時計1分32秒6も上々である。
近年はリスグラシューやインディチャンプがここを勝って、その年のGⅠ制覇につなげた。ウォーターもそれらに続く可能性は秘めている。
昨秋から東京千六は①①①着。同じ舞台で行われるGⅠ安田記念も視野に入ってくるだろう。もちろん、河内厩舎は定年解散となるため新厩舎になっているが、この末脚の爆発力は侮れない。
ましてや、昨年の安田記念を勝ったロマンチックウォリアーは香港馬で現在は中東遠征中。マイルCS馬ソウルラッシュは明け7歳馬。確固たる王者は不在で、勢いのある若い世代の台頭も十分ありえる勢力図だ。
ともあれ、師の近づく引退に花を添えた重賞Vはその先、大輪を咲かせる可能性を感じさせた大きな勝利でもあった。