亀井記者の血統ロックオン

東西3歳重賞の開幕戦は昨年の2歳リーディング1、2位の産駒が分け合う結果に

公開日:2025年1月14日 07:00 更新日:2025年1月14日 07:00

 金杯ウイークの日、月開催からの土、日、月、3日間開催がようやく終了した。年明けの変則開催がひと段落ついたことにホッとしながら、まだ1月が半分も終わっていないのかと思う次第。〝一月は行く〟などというものの、記者の中では遅々として進まず、各駅停車の鈍行に乗っているような感じで……

 そんな気持ちをあざ笑うかのように、名前通り超特急バリの走りを見せたのがフェアリーSを制したエリカエクスプレス。勝ち時計は1分32秒8のコースレコード。前日の土曜12Rに同じ中山マイルで行われた古馬2勝クラスが1分33秒2の決着だったことからも、その優秀さが分かるというものだ。

 血統を見ると父がエピファネイアで先週の中山金杯アルナシーム(モーリス産駒)に続きロベルト系がV。ちなみに昨年のフェアリーSもエピファ産駒のイフェイオンが制している。やはり〝冬の中山はロベルト〟なのである。

 ただ、エリカエクスプレスに関して言えば、結果に驚いている面もある。

 というもの、母の父がガリレオでサドラーズウェルズ系。母の全弟には三千二百㍍のドバイゴールドC勝ちなど長距離路線で活躍したタワーオブロンドン(注・19年のスプリンターズS勝ち馬とは別馬)もいるバリバリの欧州スタミナ血統なのだ。

 エリカ自身もサドラーズの4×3のクロスを持つ中距離型の配合だから、マイル重賞でしかもレコード勝ちするまでのイメージは持っていなかった。それだけ本馬の能力が高いということだが、同じマイルでもよりスピードが求められる桜花賞や、高速馬場の東京オークスで決め手勝負になった時に対応できるかが今後のポイントになってくる。

 月曜に中京で行われたシンザン記念はリラエンブレムが新馬勝ちから連勝で重賞Vを決めた。

 父は一昨年、昨年と2歳リーディングを獲得したキズナ。昨年は初の総合リーディングも獲得し、名実ともにディープインパクトの後継馬の地位を固めてきた感じだ。

 キズナ産駒は昨年の3歳戦でジャスティンミラノの皐月賞勝ちなど1~6月の半年で重賞5勝。ディープが亡くなったあとは確実に肌馬の質も上がっており、今年の重賞路線も中心視でいい。

 ちなみに、昨年2位がエピファネイアだから東西の3歳重賞の開幕戦はこの2頭で分け合った形。一昨年の2歳リーディングでも1、2位だったこの2頭。ディープVSキンカメのようなライバル関係ができてくれば面白いのだが。

 2歳リーディングの話が出たところで、少し昨年の新種牡馬も振り返ってみたい。

 新種牡馬リーディングトップはサートゥルナーリア。フェアリーSでもエストゥペンダが9番人気で③着している。ロードカナロア直子だが産駒は6F戦で1勝のみ。逆に二千ですでに5勝だから明らかに中距離寄りの印象。距離が伸びてくるここから飛躍が見込めそうだ。

 賞金差わずか700万円で2位だったのがナダル。ただし、勝ち星ではナダルが30勝とキズナ(29勝)を上回り2歳戦最多。高額条件の少ないダートが主戦場の分の差だろう。実際、地方も入れた新種牡馬リーディングではナダルがトップだった。今後はダート路線で頂点を狙えるだけの素材だ。

 もう1頭ダートで個人的に注目しているのがゴールドドリーム。中央では6勝止まりだったがものの、地方で稼ぎまくって計54勝。父は息の長い活躍をしただけに成長力も魅力。祖父ゴールドアリュールでサンデー系の正当ダート血統だけに期待したい。

亀井辰之介

 競馬好きの父親の影響もあり、子供のころから競馬中継を一緒に観戦。最初は父親が馬券を当てるともらえる臨時の小遣いが目当てだったが(ただし、父は穴党だったため、あまり的中した記憶はない……)、ある日、シンボリルドルフといういかにも強そうな名前の馬が、強く勝つ姿に魅入られたのが競馬ファンになったはじまり。
 その後はテレビゲームの競馬ソフトにどっぷりハマり、今までに遊んできた競馬ゲームは数知れず。その時に競走馬の配合の奥深さを知り、血統に興味を持ったのが今の予想スタイルの根幹か。現在でもたまにゲームをたしなみ、好きだった競走馬の産駒を活躍させることが小さな喜び。
 予想スタイルはもちろん“血統”。各馬の血統を分析。得手、不得手を見極め得意条件に出走する時に狙い撃ち! 好配当を目指します。

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