激アツの障害リーディング争いで浮かび上がるかつての星野忍の大記録
公開日:2024年12月19日 14:00 更新日:2024年12月19日 14:00
今週土曜の中山10Rに組まれているのが第147回、中山大障害だ。
回数が示す通り歴史は有馬記念よりも古く、第1回は1934年。もう90年も前になる。
人気になるのは高田騎乗のジューンベロシティだ。6月の東京ジャンプS、10月の東京ハイジャンプと重賞を連勝。昨年のこのレースは⑤着だった。初のビッグタイトルとなるか。
他に注目したいのが上野騎乗のダイシンクローバー、小牧加騎乗のネビーイームだ。
上野はこれまで障害のGⅠに7回騎乗して〈0007〉、小牧加は3回騎乗で〈0003〉である。
この2人、今年の障害リーディングトップを激しく争っている。
ともに先週までに18勝をマーク。②着は小牧加が13回、上野は10回だ。
今年、残す障害戦はこの大障害と、22、28日に京都で組まれている未勝利戦のみ。残り3レースしかない。上野は是が非でも勝ち鞍で小牧加を上回りたいところだ。
上野は21年目、関東の38歳。13年から障害に騎乗し、通算勝利数は49。昨年までは21年の7勝が年間最多だったから、今年になって一気にブレークしたことになる。
小牧加は馬術の世界から転身した、3年目の27歳。22年は9勝で、昨年は12勝。今年は夏の新潟ジャンプSで初の重賞勝ちも果たした。
中山のGⅠは3回経験して⑧⑧止。今回はいいところを見せて、リーディングトップ奪取に弾みをつけたいところだ。
ちなみに、現在の18勝という数字は例年と比べてどうなのかというと、これは結構、多い部類になる。
昨年の石神深は14勝、22年もトップは石神深で15勝。16勝以上となると2000年の熊沢が17勝したのが直近。年間最多は星野忍氏(97年まで騎手。21年に定年のため調教師を引退)の19勝だ。
障害戦の総数は一時よりも減少している。
データが電子化されている86年以降、同年は161鞍組まれていたが、翌年から160を下回って、150を切ったのが91年。94年には140を切った。その後は平行線だったが、14年には130を切り、昨年、今年は127鞍となっている。
そういう状況だけに年間18勝は以前より〝価値あり〟かというと、そうでもない部分もある。
今年、石神深は109回も騎乗。小牧加、上野も90回を超えている。
だが、星野が19勝した89年の騎乗回数は52。勝率・365の高さだ。
この頃は東西で同日に障害が組まれていることが多く、今のように同じ場で1日2鞍などということがない。また東西交流も少なく、東は東、西は西という時代だった。
今年、小牧加、上野はもしかすると星野の記録に並ぶかもしれない。それでも星野の記録は色褪せない凄さがあることを知ってほしい。