【マイルCS】かつての王道路線はどこへ 2年連続でスワンS組の出走なし

公開日:2024年11月14日 14:00 更新日:2024年11月15日 11:07

 先週のエリザベス女王杯で特徴的だったのが、「前走秋華賞組」がゼロだったこと。3歳馬の出走もローズS⑤着からのローテーションだったレガレイラ1頭のみと、非常に少なかった。

 確かに秋華賞からエリザベス女王杯は中3週。短い間隔でGⅠを連戦するのは若駒にとって酷だし、近年は間隔をあけて使うのが主流だ。時代に合わないといえば合わないのかもしれない。

 では、マイルCSの場合はどうか。

 昨年がちょうど40回目で、主なローテーションは天皇賞・秋組が最も強く、12勝をマーク。以下、スワンSが8勝で、富士Sが6勝、スプリンターズSが5勝。これらが主立ったところになる。

 ただ、天皇賞とスワンSは同じ週の施行で、マイルCSまでは中2週。21年にグランアレグリアが天皇賞・秋③着から勝利したが、22、23年とこのローテーションの馬はいなかった。

 問題はスワンS組だ。

 古くはこのローテーションは主流中の主流。第1回の84年、ニホンピロウイナーがスワンS、マイルCSを連勝。「初代秋のマイル王」となってから、86年タカラスチールは④→①着、87年セントシーザーは②→②着、ミスターボーイが④→③着、88年ホクトヘリオスが⑥→②着、ミスターボーイが②→③着、89年バンブーメモリーが①→②着、ホクトヘリオスが③→③着、90年パッシングショットが②→①着などなど。実際、86、89年は「前走スワンS組」が11頭もいて、千四から千六に延びての再戦ムードだったのだ。

 その後も91年ダイタクヘリオス、93年シンコウラブリイ、94年ノースフライト、97年タイキシャトルと90年代までは数多くの優勝馬を輩出していたが……。

 00年以降、この流れが大きく変わる。

 昨年までの24回で勝ち馬を多く出しているのは天皇賞・秋、富士Sで6勝ずつ。スプリンターズSが5勝で、毎日王冠が2勝、スワンSはわずか1勝にとどまる。10年にスワンS⑧着からの変わり身を見せたエーシンフォワードのみだ。

 そしてスワンS組そのものも減少。14、15、17、21年は3頭のみ。そして昨年はついにゼロに。今年も同じく、スワンS組は一頭もいない。

 これを受けてか、来年からスワンSは10月2週目に。富士Sより1週早い施行で、中5週に変更される。その一方、同じ千四の阪神Cまでは間があくことになる。これでかつての王道は復活するのか。

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