【エリザベス女王杯】勝ったスタニングローズはもう一頭のGⅠ馬だが、問われるエ女王杯の存在意義

公開日:2024年11月11日 14:00 更新日:2024年11月15日 11:07

強い牝馬の登場でメンバーの質は〝?〟

 今年のエリザベス女王杯を制したのは一昨年の秋華賞勝ち馬スタニングローズ。近走はひと押しを欠くレースが続いていたが、思えば断トツ人気だったレガレイラ以外にGⅠタイトルを持っていたのは、実はこの馬だけ。終わってみれば格上だったという見方もできる。

 ただし、そうはいっても、GⅠという観点からすればメンバーレベルには疑問符もついたのではないだろうか。

 GⅠ馬は2頭だけで、除外もなく、フルゲートに満たない17頭立て。これは今年に限ったことではなく、昨年はさらに少ない15頭立てだった。それにはさまざまな理由が重なっていることもあるだろう。

 近年はノーザン系のクラブ馬も多くなり、どうしても鞍上との兼ね合いなどもあって、出走レースは分散傾向にある。さらに性別のカテゴリーを超越するような強力牝馬も多くなったが、そうなると、牝馬限定GⅠではなく、リバティアイランドが天皇賞をチョイスしたように、ジャパンCなどの古馬王道路線や香港国際競走へ参戦するプランもあって当然のことだろう。

 しかも、間隔をあけたり、ぶっつけ本番も主流になりつつある中、日程面でもエ女王杯は敬遠される傾向もあるか。

 前哨戦のGⅡ府中牝馬Sは来年からアイルランドTに名称を変更し、開催時期がずらされるが、それでも中4週の日程。3歳勢の主要路線となる秋華賞からは中3週のままである。いかにも今の時流には合っていないステップレースと言えないだろうか。

 以前は牝馬の頂上決戦らしい年もあったが、近年のような状況が続けば、影の薄いGⅠになってしまうかもしれない。

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