【米GⅠブリーダーズカップデー】舞台のデルマーは超小回りコース

公開日:2024年10月31日 14:00 更新日:2024年10月31日 14:00

3年前の再現はあるか

 3年前の興奮再び――となるか。

 注目の「アメリカ競馬の祭典」ブリーダーズカップデーは11月1日、2日の2日間にわたって行われる。日本時間では2日と3日の早朝だ。

 舞台となるデルマー競馬場は17年に初めてブリーダーズカップデーを開催。その次が21年で、ラヴズオンリーユーがフィリー&メアターフで日本調教馬による初のBC制覇を達成。その直後にマルシュロレーヌもディスタフで日本調教馬として初の米ダートGⅠ勝利を果たしている。

 遠征しやすい西海岸、また3年前の快挙もあってか、今年は実に19頭もの日本馬が海を渡った。

 ところで、デルマー競馬場とはどんなコースなのか。

 アメリカだから、外側がダートコースで、内に芝コース。ダートは1周が1マイルで、直線が約280メートル。1周はほぼ京都と同じだが、直線の長さは札幌よりわずかに長く、福島よりちょっと短いといったところ。

 芝は1周が1400メートルしかなく、直線はおよそ250メートル。JRAで最も短い函館でも262・1メートルだから、超がつく小回りコースだ。

 JRAによる馬券発売が行われるのは4競走。

 3日午前6時1分発走予定(日本時間、以下同)の7RのBCターフは13頭立て。日本馬はローシャムパークが1番枠で鞍上はルメール、シャフリヤールが3番枠で、こちらはC・デムーロが騎乗する。

 8RはメインのBCクラシックで発走は6時41分。日本からは3頭が参戦する。フォーエバーヤングが1番枠、鞍上は坂井。デルマソトガケは6番枠で鞍上はルメール、ウシュバテソーロは7番枠で川田が手綱を取る。

 9Rは芝二千二百メートルのフィリー&メアターフ。日本からはアリスヴェリテが出走予定だったが、ダート千八のディスタフへ。ただし、F&Mターフの馬券発売は予定通り行われる。発走は7時25分。

 1つ飛んで11RのBCマイルがラストに。発走は8時45分だ。

 日本からは2頭で、ジオグリフは12頭立ての3番枠、鞍上は横山武。テンハッピーローズは11番枠で津村となっている。

クラシックでフォーエバーヤングに立ちはだかるのは地元のエースか、初ダートの怪物か

 では、日本馬の中で注目されているのはどの馬か。主催者が発表している予想オッズをもとに見てみると――。

 BCクラシックのフォーエバーヤングは3番人気で、1番人気はシティオブトロイ。今年の英ダービー馬で、その後は古馬相手にエクリプスS、英インターナショナルSとGⅠを3連勝。すでに今シーズン限りでの引退↓種牡馬入りを表明しており、ここがラストランとなる。

 問題はここが初ダートということ。父ジャスティファイは18年の米3冠馬という、欧州には珍しい米国血統。この挑戦はどう出るのか。

 2番人気は地元・米国の3歳馬フィアースネスだ。ケンタッキーダービーでは大敗したが、その後はGⅡ、GⅠを連勝。二千メートルのトラヴァーズSを勝ったことで、距離のメドもついた。

 BCターフは英国のレベルスロマンス、ジェイアービー、エミリーアップジョンが上位人気を形成。シャフリヤールは5番人気といったところ。

 中でもレベルスロマンスは22年の勝ち馬で、今年はドバイシーマクラシックを制覇。GⅠ6勝の成績を誇る。

 エミリーアップジョンはJ・ゴスデン厩舎で、今回は米国遠征により、久々にデットーリとのコンビが復活する。

 馬券発売対象4鞍で、10倍程度以下なのはフォーエバーヤング、シャフリヤールのみ。

 では、発売されないレースはというと、1番人気になっている馬が1頭いる。新馬戦→カンナS連勝のエコロジークで、レースはBCジュベナイルターフスプリント。2日に行われる芝千メートル戦である。鞍上はルメール。

 フランスのGⅠモルニ賞を勝っているホイッスルジャケットより人気が上というのは意外。初の2歳馬による海外GI制覇はあるだろうか。

 BCジュベナイルフィリーズに出走するアメリカンビキニも3番人気と注目されている。

 小倉のダート千メートルをレコード勝ちし、中京の千四・ヤマボウシ賞も逃げ切り。問題は千七への距離延長か。ただ、逃げたい馬には有利な舞台。鞍上にはムーアを迎え、注目の一頭だ。

 もしかすると、注目大の日曜朝の前日に、日本の競馬史が大きく変わっているかもしれない。

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