週末の中京は馬場悪化が避けられなさそうな天気予報。前4年も重、重、重、不良だったから、スプリントGⅠの醍醐味でもある究極のスピード比べが見られないのは残念なところ。
今年も道悪適性は重要なファクター。◎にはマッドクールを狙う。
昨年4月に中山の春雷Sで①着。ソールオリエンスが勝った皐月賞の当日と言えば分かりやすいだろうか。前日の雨の影響で馬場状態は“重”。特に内ラチ沿いがかなり荒れて、パワー優先のコンディションだった。
そんな中、前半33秒6のハイペースでも2番手で余裕十分に追走。自身は57・5キロのトップハンデで、②着のキミワクイーンとは3・5キロ差ありながらも首差競り勝ったから道悪適性は高い。
その後はCBC賞こそ夏負けで⑨着と精彩を欠いたが、秋の大一番スプリンターズSでは鼻差②着。③着ナムラクレアには1馬身先着だから、GⅠに手が届いてもおかしくない底力を示した。
しかも、この時は決着タイムが1分8秒0と良馬場にしては遅かった。やはり純粋なスピード比べよりもパワーを求められるコンディションの方が、より持ち味が生きるということ。
前走の香港スプリント⑧着は初の海外遠征。レース2日前に計測された馬体重はスプリンターズSからマイナス10キロの522キロと体を減らしていたもの。万全とはいえないコンディションで短距離王国のハイレベルなメンバーでは、はね返されたのも仕方ない。
その点、今回は3勝を挙げている“ホーム”の中京だから、万全の態勢で臨める。
木曜に発表された調教後の馬体重も548キロときっちり回復。だからこそ、1週前にCウッドでいっぱいに追われて6F80秒8―36秒3、1F11秒1をマーク。直前は坂路54秒2でラスト1F11秒7と中身の濃い調教を消化できているのだ。
昨秋のリベンジに向けて渾身の仕上げ。力強く抜け出して、念願のGⅠタイトルを掴む。
強敵はスプリント王国香港からの刺客ビクターザウィナー。王者ラッキースワイネスと再三、好勝負を演じてきた実力は侮れない。
B型の虎党。父が元専門紙の記者だったこともあり、競馬場デビューはベビーカーに乗っていた頃。本棚に競馬四季報が並ぶ恵まれた家庭環境で育った。アルバイトを経て2000年に入社。03年夏から美浦トレセンに通い始め、担当は堀、相沢、鈴木伸厩舎など。
予想の基本スタンスは“いかに儲けるか”。当たり馬券を手にするために、取材で得た情報だけでなく、データ、馬場、展開、血統とありとあらゆる手段を駆使。人気馬のアラ探しより、一点突破の強力な武器を持つ伏兵を見つけることに血道を上げている。
レース部きってのギャンブル好きで、オート、競輪、競艇と見境なく手を出して勝負勘を養っている。ポーカーは海外の大会で入賞経験もある腕前だ。趣味は祭り、プロ野球、相撲、アメフト観戦など多岐にわたる。ゴルフは典型的な下手の横好き。